ヒューストン・ロケッツ（全米プロバスケットボール協会・NBAに所属するチーム）の米国や中国のファンにとって最悪のニュースが2月27日に発表された。その日、チームの本拠地であるトヨタセンターでの記者会見で、チームスター選手である姚明（ヤオ・ミン）選手が、左足疲労骨折で、今シーズン残りの試合の出場が絶望であることが伝えられた。

ロケッツのチームドクターであるトム・クラントン氏は、「姚明選手の骨折は、激しい対抗や衝突で生じたものではなく、日々反復して加えられた圧力による疲労性骨折である」と述べている。手術を受けるか、手術せずにリハビリ治療するか、2通りの手段があるが、いずれの場合も回復まで3～4カ月かかるという。どちらの方法をとっても、今シーズンの残り試合の欠場を余儀なくされると共に、姚明選手の母国である中国で、8月に開催される北京五輪への出場も危うくなる可能性もある。

姚明選手は記者会見で、予想外の悪い検査結果が出たことに驚いた、と失望を隠しきない様子で語っている。「チームの状態は良好で、良い記録を残してきている。チームメイトのトレイシー・マッグレディには、『君がもっと本領を発揮するチャンスがきた、去年のようなプレーをすればいい』と述べた。チームがこのまま良いプレーをできると信じているし、このまま勝ち続けなければいけない」ここまで述べて、姚明選手は涙をこらえるかのように顔を伏せた。

今シーズン、ヒューストン・ロケットは12連勝を記録したばかり。姚明（ヤオ・ミン）選手の骨折が、その喜びにいるチームに水を差したことは想像に難くない。姚明選手の欠場により、今シーズンの残り試合を勝ち続けることができるのかも疑問だ。この悪いニュースは、母国での五輪でよい成績を目指すバスケットボール中国代表チームにとっても大きな打撃であった。チームドクターによると、姚明選手は7月までには回復し、五輪には間に合うとのことだが、調整期間はわずか1カ月で、激しい対抗が繰り広げられる大会に身を投じられるかは未知数である。仮に、姚明選手が五輪に出場することができたとしても、大会前のトレーニングを長期的に行うことは不可能だ。中国代表チームのチームメイトとの事前練習に欠くことは、NBAスター選手の威力を発揮できない結果となることは必至である。

同チームのジェネラル・マネージャーのダリル・モーレー氏は、「トム・クラントン医師によると、具体的な治療方法がまだ決まっていない。五輪に間に合うかどうか私たちにも分からない。私たちは、姚明選手が中国代表として五輪に出場することを心から願っている。なぜなら、それが彼にとって悲願であることを、私たちも充分に知っているからだ」と述べている。(編集WM)

 「人民網日本語版」2008年2月29日