伝統文化と近代化は必ずしも矛盾しない。近代化の前提条件は伝統文化の変化でもない。伝統文化の中にある遅れた部分が亡くなったのは、近代化によるものではなく、社会発展の必然的な流れだ。人々にとって伝統文化と現代文化の中にある優秀な部分は、いずれも吸収し守るべきものである。
かつて見たラサ郊外の農家の台所では、その家の主婦が伝統的なストーブに牛糞あるいは薪をくべていた。その傍らに備えられていたのは、国の財政支援で作られたメタンガスの設備だ。
都会に住む私はこのような設備を初めて目にした。メタンガスのそばには、私たちがいつも使っているプロパンガスのボンベも置かれており、この小さな部屋の中では伝統と現代が自然に融合していた。
生態や文化の多様性を守る問題はチベットだけではない。世界の人々が関心を寄せ、直面しなければならない問題だ。中国政府は完全な制度を決め巨額の資金を投入して、チベットの自然環境や伝統文化を多方面から保護してきた。
その成果は多くの人が認めるところで、チベットカモシカなどの希少種の数は年々増加し、寺院の修築工事も相次いで竣工、また自然保護区の設置と保護もしだいに強化され、それに応じた施設も改善されてきた。
チベット民主改革後の50年は、変化を遂げた50年でもある。チベットの人々はこの50年で、さらに自由な宗教環境を得ることができ、住居も広くなった。そして日々の暮らしも豊かになり、さらに幸せになった。この50年間で変わっていないのは、チベット独特の宗教と文化の精華、チベットの言葉、山と川、それと幸せな生活に対する人々の憧れである。
「チャイナネット」2009/03/20
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