西蔵(チベット)自治区で生まれ育った5人の蔵族(チベット族)の全国人民代表大会(全人代)代表からなる中国全人代西蔵代表団が、このほど訪米した。彼らは自らの経験を例に、米国各界の人々に西蔵の真実の情況を紹介した。
15日に代表団はまず、在米蔵族同胞代表と座談会を開き、西蔵の経済と社会の最新の発展や変化を紹介した。代表団団長を務める、全人代代表で西蔵自治区人民代表大会常務委員会副主任の新雑・単増曲扎(音訳)活仏は「近年来、西蔵経済は急成長しており、08年のGDPは前年比10.1%増の395億元に達した。西蔵の社会事業・文化教育事業は全面的に発展し、人民の生活水準は不断に向上している」と述べた。
16日に代表団は米国務省高官らと会談し、西蔵における人権事業の発展、宗教の自由、拉薩(ラサ)「3・14」事件の真相を紹介した。新雑・単増曲扎氏は「西蔵人民は人身の自由を有すだけでなく、宗教・信仰も憲法と法律により十分に保障されている。現在西蔵には各種の宗教施設が1700カ所あり、出家僧尼は4万6000人おり、民衆の宗教活動のニーズを満たすことが完全に可能だ。昨年の『3・14』事件はダライ(ダライ・ラマ14世)集団が標榜する『平和的デモ』では断じてなく、殴打・破壊・略奪・放火の、社会の安定を破壊する暴力犯罪活動であり、無辜の群衆18人が焼き殺されたり、斬り殺されたりし、商店や家屋多数が焼き討ちされた。こうした犯罪分子への処分は、厳格に法に則り行われたものだ」と述べた。米高官は西蔵を中国領土の不可分の一部と認め、「西蔵独立」は決して支持しないとの米政府の立場を再確認した。
米亜学会は過去30年間一貫して、米中関係の強化と友好交流に尽力してきた非政府組織であり、米議員を含む多くの代表団を組織して、西蔵その他の地域を訪問したことがある。16日午前の米亜学会の責任者との会談で、代表団は西蔵の経済・社会発展の最新情況や中央政府によるダライの私的代表の接見の情況を紹介した。新雑・単増曲扎氏は「西蔵人民の現在の最大の願いは、西蔵経済の発展であり、発展の障害を減らすことだ。中央のダライに対する態度は一貫した、明確なもので、分裂活動を放棄しさえすれば、彼の代表を接見し会話を交わす用意があり、この扉は常に開かれている」と述べた。
続いて代表団は、米議会研究所の研究員と座談会を開いた。米側が関心を寄せる西蔵の環境保護問題について、新雑・単増曲扎氏は「西蔵の生態環境は非常にもろく、国家と自治区は西蔵の環境保護事業を特に重視しており、一連の法律・規定を制定して、多額の資金を投入した。自治区の『第11次五カ年計画』にも環境保護関連の事業が多数盛り込まれている。各方面の努力を経て、現在西蔵の環境は良好で、世界で最も自然環境の良い地域の1つとなっている」と述べた。
「人民網日本語版」2009年3月18日
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