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インドの記者が見たチベット

 

インドで「どうして何度も西蔵(チベット)に行くのか?」とある友人に聞かれた。わたしはこう答えた。「一人の記者として、何度も現地に足を運び、真実のチベットを人々に知らせたい」と。

1978年以来、私は中国を17回訪問してきた。そして2000年7月、私は妻と共に初めてチベットという地に足を踏み入れた。さらに2007年6月、私たちはチベット行きの訪問団に参加し、再び拉薩(ラサ)などの地を回った。帰国後私は「経済の高成長期にあるチベット」と「チベット政治:2007年の実地視察」という2つの評論を新聞で発表。経済・社会・政治など多角度からチベットを観察し、私が目にした、まさに勢いよく発展するチベットをインドの読者に紹介した。この文章はインド国内で注目を集めた。

今年2月中旬、季節はあまり良くなかったが、私は自ら進んでチベットへ向かった。今チベットでどんな大きな変化が起きているのかが見たかった。今回のチベット行きで、私が目にしたのは約10%の経済成長を維持する、すでに経済軌道に乗ったチベットだった。チベットも国際的な金融危機の影響を受けているものの、経済成長は依然として目を見張るものだった。特に「世界の屋根」に奇跡的に建設された青蔵鉄道は、チベットの発展により大きな原動力をもたらしている。これはまさに中国政府の政策的な支援や周辺地域からのサポートによるもので、他の国ではなかなか見られない状況だ。

今回の訪問期間中、ちょうどチベット歴の新年を迎えた。ラサの街にはいたるところにチベット族特有の旗や装飾が施され、賑やかな雰囲気に包まれていた。私は学校や児童福祉施設、ハダカムギ酒工場、それに寺院を見学して回った。そこでチベット社会の和やかな雰囲気と、チベット族がチベット語やチベット文化、信仰・宗教を学ぶ姿を目にした。滞在中、私は一般のチベット族の家庭にも伺った。チベット族の人々は、政府の補助金によって昔よりもいい家に住み、鉄道や道路が貫通したことで、新たな仕事の機会が増えたと口々に話していた。ラサから林芝(ニンティ)まで数百キロの道路脇には新しい建物がたくさん建てられ、人々の表情も喜色に満ち、著しく発展する情景を目の当たりにした。

わたしは一人の記者として、私たち報道陣は時に表面だけに流され、本当の意味でその問題を深く掘り下げていないと思う。長年の現地視察を通じて培った、西蔵自治区の経済・社会の発展、人権状況に対する私自身の判断は、間違っていないと思う。私が目にしてきた状況に比べ、ダライ集団と一部の西側メディアが流している情報はいかに信頼性がなく、無責任であることが容易く発見できる。さらに強調したいのは、一部の西側メディアが取り上げている、いわゆる「チベット問題」は存在しないということだ。それはダライ集団と「チベット独立」支持者の故意なでっち上げにすぎない。

今年1月、西蔵自治区第9回人民代表大会第2回会議で、毎年3月28日を「チベット農奴100万人解放記念日」とすることが決められた。これは大変賢明なことだ。現在海外にチベット封建農奴制社会に関する文献の一部が保存されているが、いまだ注目を集めていない。メディアや多くの人々は旧チベットの暗黒の農奴史をさほど理解していない。実際に世界各国で階級制度が存在していたが、50年代になるまでチベットでは政教一致、僧侶と貴族が政治を握る封建農奴制社会にあった。その暗黒かつ残酷な度合いは中世ヨーロッパの農奴制に勝るとも劣らないといわれる。

チベットの今と昔の社会を比べると驚きを隠せない。そこには中国政府と現行の制度がチベットの発展に力強く貢献してきたことが生々しくあらわされている。(インド英字日刊紙「ザ・ヒンドゥ」編集長により執筆)

「人民網日本語版」2009年3月3日

 

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