本誌評論員 張志萍
2014国民読書調査によると、2014年の中国国民の成人における読書率(年に1冊以上本を読む人の割合)は57.8%だった。しかも2年連続で1人当たりの年間閲読冊数が5冊に満たず、日韓など隣国や西側諸国の平均水準をはるかに下回った。2015年の全国「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)で、「全民読書の提唱」が再び代表・委員らから提起され、「書香社会の構築」というはつらつとした活力に満ちた言葉も「政府活動報告」に初めて書き入れられ、社会全体からたちまち注目された。李克強国務院総理は、中国の1人当たり読書量が一部の国の10分の1に満たないことも「全民読書計画」が2年連続で政府活動報告に盛り込まれた理由であるとの見方を示した。
政府高層が「全民読書」を重視していることは、社会各界から「全民読書」の春がやってくることを示すシグナルだと捉えられた。一部の書籍業関係者はさらにこれをきわめて大きなビジネスチャンスだと考えている。
ハイテクはここ数年めざましく進歩し、インターネット、スマートフォン、iPadやKindleなど各種電子書籍ツールの全面的普及により、読書文化はきわめて大きく変化した。これらによって読書の方法や習慣が変化しただけでなく、読書内容も変わった。こうしたことは紙の書籍読書量が低下した主な原因の1つでもある。人々の生活におけるニューメディアの地位がますます重要になるに従って、「本を片手に」はとうに唯一の読書方法ではなくなっている。
多くの中国人、特に大多数の青少年は、ディスプレイ画面での読書、オンライン読書、携帯電話での読書により慣れ親しんでいる。インターネットによって彼らはいつでも世界とリンクし、世界と同時に最新の情報を手にすることができる。 そして微信(無料インスタントメッセンジャーアプリ)、微博(ミニブログサイト)、QQ(インスタントメッセンジャーソフト)などSNSメディアの流行により、電子メディアでの閲読もより気軽に、楽しく、スピーディーになった。。
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