莫言氏(ノーベル文学賞受賞者)――「言行を慎む」型
莫言氏
莫言委員はまさにその名の示す通りだ。2013年の両会で、全国政協委員に選ばれたばかりの莫言氏はきわめて「言葉を慎み」、どのメディアの質問にも答えず、提案もしなかった。昨年はついに口を開き、一人っ子と「失独家庭」(一人っ子に先立たれた家庭)の待遇向上に関する提案を行い、一部メディアから最も分野を越えた提案だと評された。提案を説明する際の発言は、「私の提案は多少分野違いのように見えるが、そうでないとも言える。それどころか私の創作活動と関係してすらいる」と相変わらず慎重だった。莫言氏は一人っ子家庭と「失独家庭」に不案内というわけではない。2009年、小説『蛙』(日本語タイトル『蛙鳴(あめい)』)で、莫言氏は一人っ子家庭と「失独家庭」について詳細な調査をし、この作品は当時非常に強い反響を呼んだ。そのため、自分の提案について触れた際、莫言氏は「この提案もその(『蛙』執筆時の)調査をベースにしたものだ」と述べている。
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