全米比較・国際教育学会 (CIES)はこのほど、「2012年学生の国際流動性に関する研究報告(trends in international student mobility)」を発表した。これによると、中国大陸部は、フランスを抜き、米国と英国に次ぎ世界3位の留学生受入れ大国となり、国際留学市場におけるシェアは、前年比12ポイント増の8%に達した。また、米国は、中国が受け入れた留学生数全体の中で2番目に多い国となり、中国大陸部で学ぶ外国人留学生総数の8%を占めるに至った。人民日報が報じた。
中国教育部(省)の統計データによると、2013年、中国国内746の大学・科学研究機関・その他教育関係機関で学んだ各類外国人留学生は35万6499人。中国で学ぶ留学生の総数は前年比15.83%増加した。中国で学ぶ留学生数、留学生を受け入れた中国国内の教育機関数、中国政府奨学金の支給総額はいずれも、過去最高を記録した。
■ますますバラエティに富む交流プログラム、参加学生は年々増加
米カリフォルニア州出身のエンリケ・グラナドス君(中国名:高偉)は、ワシントン・ジョージタウン大学で中国語を専攻する19歳の大学2年生だ。中国語と中国文化をこよなく愛する彼は、米国に住む実の母親以外にも、北京に「中国のお母さん」がいる。
2010年夏、当時ニューハンプシャー州サンパウロ高校2年生だったエンリケ君は、米国の民間国際交流プログラムから資金援助を得て、同学年の仲間47人とともに太平洋を渡り、北京師範大学第二付属高校に9カ月間留学した。留学中、彼は北京の一般家庭でホームステイし、「中国のお母さん」とはその時に深い絆で結ばれた。「北京の家で、僕は毎日中国人と同じ食事をした。お母さんが包んでくれた餃子の味は今でも忘れられない」とエンリケ君。彼は昨年10月、ワシントンで開かれた「江蘇杯スピーチコンテスト」で2等賞を獲得、中国留学のための奨学金が副賞として贈られた。
ここ数年、エンリケ君のような米中両国政府による国費留学生プログラムや民間団体の支援による留学プログラム、さらには自費による中国短期・長期留学が盛んになり、中国で学ぶ米国人留学生は増加の一途を辿っている。CIESの広報宣伝マネージャーは、「中米両国政府は、両国間の人文交流の促進に力を注ぎ続けている。オバマ大統領は、2009年の訪中時に、中国留学『十万人』計画を提案した。中国で学ぶ米国人留学生を10万人にまで増やすというこの計画は、翌2010年に始動した」と語った。
2012年に中国とブラジルが交換留学プロジェクトをスタートしたことで、中国に留学するブラジルの若者も大幅に増えた。ブラジル文化省の統計データによると、2013年に中国政府奨学金による留学生募集に応募したブラジル人学生は600人を上回り、うち260人あまりが中国留学を実現させ、1年間から4年間の留学生活をスタートさせた。
韓国人家庭の間では、俗に、「娘なら米国に留学させ、息子なら中国に留学させる」と言われている。これは、中国への留学は米国留学に比べて苦労は多いが、長期的に見ると、中国語をマスターし、中国を理解すれば、キャリア発展の可能性はより大きく、意義深いという意味だ。中国の国力が強まるにつれ、人文・経済など各分野での中韓両国の交流はますます緊密になっている。一部の韓国企業では、中国語ができることがキャリアアップのための必須条件となっている。統計データによると、中国で学ぶ韓国人留学生は、2001年時点では1万6372人だけだったが、2012年には4万6483人にまで増えた。
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