国慶節(建国記念日)に合わせて1-7日が7連休となった中国。ただ、高速は大渋滞し、観光地は大混雑となり、ホテルもなかなか取れないというのが、旅行者の「思い出」となってしまったようだ。瀋陽晩報が報じた。
高速は大都市のラッシュ時のような状態に
連休期間中、昨年に引き続き7人乗り以下の乗用車や有料道路の走行を許可されているバイクを対象に、高速道路が無料開放された。そのため、高速道路は予想どおりの混雑となった。2年連続で旅行に出かけたという李さんは取材に対して、「1日、北京と哈爾浜(ハルビン)市を結ぶ京哈高速で北京に向かった、混雑していてずっとノロノロ運転。大きいサービスエリアは進入できないほど混雑していた。あの光景は夕方のラッシュ時の青年大街(瀋陽市内)と同じ。でも、高速道路では前の車が急にブレーキを踏むと、後続の車が止まれない」とし、遼寧省の錦州市や営口市の区間で、玉つき事故を見たという。
このような状況が連休期間中、ずっと続き、6日にはUターンラッシュを迎えた。同高速の万家料金所で、筆者は北京向きが10キロ以上に渡ってノロノロ運転になっているのを目にした。辛抱しきれず、むやみな車線変更や割り込みなどをしている車両が事故を起こし、渋滞をさらに深刻にしていた。
このような状況は京哈高速だけでなく、北京市を起点に、河北省などを経由し、香港・マカオに至る京港澳高速道路や北京と西蔵(チベット)自治区を結ぶ京蔵高速道路などでも見られた。ある旅行者によると、京藏高速の居庸関と八達嶺間(10キロ)を進むのに約1時間かかったという。
観光スポット:写真に映るのは人混みばかり
大渋滞の高速を降り、やっと観光地に到着したかと思っても、次は観光客の大混雑に悩まされることになる。
連休中、山西省に行ったという于さんは、ユネスコの世界遺産 (文化遺産) に登録されている大同市の雲崗石窟(うんこうせっくつ)を訪問した。しかし、「外の駐車場で1時間は渋滞に巻き込まれた。目の前に目的地があるのに入ることができないのだ」と嘆く。そして、次に同市の懸空寺(けんくうじ)に向かったものの、そこでもまた渋滞。今度は恒山(こうざん)の山道で完全に止まってしまったという。最終的に、2キロ歩いてやっと懸空寺にたどりついた。
于さんと同じく、山西省に足を運んだという李さんは、世界遺産に登録されている晋中市平遥県の平遥古城(へいようこじょう)を3日から訪れた。しかし、同県内に到着してから見たものは、「人、人、人。入場券を買って入る観光地はどこも、人が多すぎて入れなかった」という。「現地のガイドによると、2日はもっと人が多かった」。このような状況は浙江省杭州市の西湖や北京の万里の長城のある八達嶺などでも発生し、あるネットユーザーは「西湖で写真を撮ったけど、映っているのは人ばかり」と嘆いている。
観光スポットがごった返すと、今後は現地での宿泊先探しが困難を極める。大同市のあるホテルは5日まで予約で満室になっていた。
5月のゴールデンウイークを7連休に戻せば分散化?
では、高速は渋滞し、観光地は大混雑となり、ホテルもなかなか取れないというのに、なぜこれほど多くの人が旅行に出かけるのだろう?
李さんは、「春節(旧正月)以外の大型連休は、10月の連休だけ。当然、人が多くなる」と指摘。「今、みんな仕事に忙しく、旅行に出かける時間がない。それに加えて、2008年から5月のゴールデンウイークが3連休に短縮されたため、ゆっくり旅行に出かけられるのは10月の連休だけ。人が多いのは分かっていても、出かけるという人が多い。また、高速道路が無料開放されているというのも、混雑に拍車をかけている」と分析している。
同連休が観光地の経済を活気付けるなど、積極な面があるのも確かだ。しかし、旅行先で人々が楽しく、満足できる仕方で遊べるようするにはどうすればよいのだろう。「5月のゴールデンウイークを7連休に戻し、旅行客を分散化させる」や「年ごとに、各車両の高速道路が無料となる日や場所を変え、出かける人を分散化させる」などの意見が上がっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年10月9日
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