日本の放射性物質漏れ事故により、アジアの多くの国と地域は日本からの輸入品や食品に対する検疫を厳しくしている。韓国、中国の香港特区、シンガポール、フィリピンなどの国と地域の政府関係者は、日本から輸入した食品の放射線量の検査を開始したと発表した。
中国国家品質検査総局は15日夜、政府の公式サイトで、福島の原子力発電所の事故が深刻で不明確なことを受け、同局はすでに各地の検疫機構に放射性物質の入国のリスク分析を強化し、輸入品の原子力や放射能の検査を着実に行うよう求めたと発表した。
日本政府は農産品が放射能汚染を受けたかについて公表していないが、15日の『東京新聞』によると、高品質でよく知られる日本の農産品が汚染された可能性もあり、特に東北地方から出荷された果物と魚介類は「汚染の疑いが高い」とし、さまざまな検査を受けている。災害により、農産物生産地域の生産と流通は滞り、日本の東部で「食料危機」が現れ、東京の西友や三徳などのスーパーマーケットでは野菜や惣菜が品切れ状態となっている。24時間営業のコンビニはさらに深刻で、商品棚は空っぽだ。この異常な不足状態のときに、日本人は食品が汚染された可能性をまだ心配していない。
香港市民が好む日本産のアワビ、フカヒレなどの海産物やりんごなどの果物の多くは、福島県や宮城県から輸入されたものだ。香港特区政府食品安全センターは、日本から輸入した牛乳、野菜、果物、肉類、海産物などの生鮮食品を中心に厳格な検査を開始した。マカオ特区政府民政総署も14日、日本から輸入した海産物や牛肉などの放射線照射の有無を調査しており、抜き取り検査を強化すると表明した。
多くの国と地域の政府が日本から輸入した食品の検査を厳しくする一方で、日本商品の在庫を争って買う状況が現れている。
中国人民大学農業・農村発展学院の鄭風光教授は、「福島の原子力発電所の事故は周辺国に大きなパニックをもたらし、中国が日本食品を警戒し、検査・検疫を行うのは必要なこと。原子力発電所は海の近くで起きており、魚介類などの海産物が放射能に汚染される恐れもあり、ほかの農産品も雨で汚染される可能性がある。日本の農産品の汚染の有無はまだはっきりしておらず、食品が確かに安全だと正式に発表されるまで、中国も他の国や地域と同じように必要な検疫を行い、必要であれば、日本製の食品の輸入を一時停止するのがよい」と述べた。
また鄭教授は、中国が輸入する日本食品は主に米や海産物で、量は限られており、これらは中国で売価が高く主に高級スーパーでしか販売していないため、一般の消費者に影響はなく、経済・貿易への影響も大きくないとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月18日 |