北京は世界で資源の最も不足している首都ではないのか。数年前、外国は北京をこんなふうに評した。常住人口の増加速度は予想を遥かに上回る。2020年に、北京は常住人口2100万人という現実を受け入れざるを得ない。これは1800万人以内に抑えるとの目標をすでに超えている。資源が不足する都市として、現在の人口は各種資源負荷の極限状態にすでに近づいている。有効な抑制・指導策を打たなければ、巨大な人口増に直面し、今後の北京の協調のとれた発展に重大な影響が出てくる。
北京駅の人波
抑制できない増加
北京が負荷可能な人口はどれほどか、この問題は20年前に論議されたことがある。当時は800万人、1000万人とも言われ、2003年に国務院は「北京都市総合計画(2004-2020年)」を公布、人口を2020年に1800万人に抑えると明記した。
この数字は2003年の北京常住人口1456万人をベースに、生態及び水資源負荷能力、就業需要予測、総合増加率など3種類の方法で試算したものだ。
だが、現実の人口増加数はなんと計画より10年も先をいく。北京市人民政府は今年1月21日の記者会見で、常住人口が2009年末時点で1755万人に達し、前年末の1695万人に比べ60万人増えたと発表。
従って、人口計画目標を適宜に調整し、制度化された人口計画・人口情報ネットを確立する必要がある。北京の人口抑制の難しさは、市場経済の下で、労働力の自由な流動自身が市場経済を発展させる条件の一つになっていることにある。
同時に、北京は資源輸入型の超大都市として、自然資源が不足し、エネルギーの98%を外部から賄っている。試算によれば、非農業人口は毎年10万人ずつ増えており、年間にして生活用エネルギーの直接消費は14万2100トン、同間接消費は23万4600トンずつ増えている。用水面から見れば、生活用水が増加し続けて用水全体の44%を占めているのは、人口増が主因だ。人口が膨脹し続ければ、南水北調(南方の水を北方に引く)の水量は人口の急増により一口で飲み込まれてしまい、北京の水不足の難題を根本的に解決するのは難しい。
人口規模の膨脹も環境を質的に低下させている。最新の生態質量評価は、2009年の北京市各区・県の等級がいずれも普通であることを示した。生活用ごみの日間排出量は1万8300トン、設計日間処理能力は1万2700トン、実際日間処理量は1万7400トンと、負荷超過運転状態にある。ごみ埋め立て場の稼動周期も短縮しており、平均剰余期限はわずか4年前後に過ぎない。全国に113ある大気汚染防止重点都市の中で、北京市は下から6番目だ。
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