文・写真=段非平
四川省汶川県の西北部に位置する龍渓郷は典型的なチャン(羌)族の居住区であり、98%の人口はチャン族である。ここはまた「チャン族の谷」ともいわれている。土地のチャン族の村には、歌舞に秀でた姉妹がおり、毎回の文芸的なイベントにはいつも二人の姿がみられる。姉妹は、現在、汶川一中に在学中の朱瑶瑶さんと程璐さんである。二人は実の姉妹であり、なぜ二人の姓が違うのかと聞かれると、程さんは笑って「姉は父の姓、私は母の姓に従っています。父がこうすれば公平だというので」と言う。
姉妹の家族は、一家四人
汪洋・広東省共産党委員会書記からの手紙を記者に見せる朱瑶瑶さん
2008年5月12日の四川大地震の発生時、姉妹は授業中だったが、先生の指揮下、1300名余りの桑坪中学校の生徒たちは安全に姜維城山に避難した。そこは地勢が高くしかも平らで、当時の汶川県のもっとも安全な場所だった。地震による災害のため、龍渓郷は、汶川県で唯一の全郷が移転する郷となり、姉妹も桑坪中学の全校生徒、教員とともに、広東に移り、2008年9月1日に広東省江門市五巴碧桂園学校で復学が実現した。2009年9月1日、全校生徒は再び龍渓郷のすでに新しく建てられた校舎に戻った。
広東省での生活を省みて、姉の朱瑶瑶さんは記者に「向こうでのおじさん、おばさんたちはとても優しく、よく私たちに食べ物や飲み物、生活用品を持ってきてくれて、時には私たちの地震の話を聞いて涙を流す人もいました。生活の面倒をよくみてくれて、特別に四川のコックさんを呼んで食事を作ってくれ、祝日には、私たちに贈物をくれました。この間の母の日には、私たちにインターネットの動画を通じて母と話をさせてくれました。
2009年5月、汪洋・広東省共産党委員会書記が五巴碧桂園学校を見舞いに訪れ、朱瑶瑶さんは、生徒代表として汪洋書記と会った。朱瑶瑶さんは、「汪洋おじさまは、私に『災難に際し、私たちは強さを選ぶ』という本をくれました。そして、よく勉強し、将来は広東大学に合格して、能力をつけて戻り、故郷を再建するように、と話してくれました。私たちは、30年後の5月12日、お互いに手紙を交換し、自分の仕事や、生活の様子、被災地の再建の様子を書くことにしました。去年の12月、汪おじさまが龍渓郷に視察にいらした時、特に汶川一中へ、私たちに会いに来てくれました。おじさまは私たちを本当に忘れていなかったのよ!」
未来の理想について聞くと、姉妹は即座に「入隊して、文芸兵になりたい!地震の時、人民解放軍のおじさんたちは、とても勇敢でした。私たちはおじさんたちのために、歌をうたったり、踊ったりしたいです!」
朱瑶瑶さんと程璐さん、この二人の素朴な姉妹、社会への熱い思いを抱いて勉強に励む二人の夢は必ず実現することだろう。
「北京週報日本語版」2010年1月25日 |