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社会  
「ロブノール・プロジェクト」 科学の面をつけた杜撰さ

科学は、科学的精神で

定年退職した鄒文良さんは当時、張聚敬さんとともに核実験周辺地区住民の健康、環境調査に参加したことがある。1985~1986年に行った科学研究の内容は、庫爾勒(コルラ)(バオングオロン蒙古自治州政府所在地)地区の核実験場周辺南西方向の6つの調査地区と、核実験場から遠く離れた風上の方向、一部地域と、調査地区と天山を隔てる阿克蘇(アクソ)地域の5つの対照地区の住民と児童を対象に、11年(1974~1984年)の間の悪性腫瘍による死亡と遺伝性疾病、先天性奇形について調査した。

「これは科学的調査である」。鄒文良さんによれば、調査地区と対照地区の選択に当たっては、核実験場からの距離が異なる、自然環境や地質構造、工業・農業生産、居住条件、民族の構成、飲食・栄養状況、タバコ・酒の嗜好、医療衛生状況などが基本的に似ていることを原則にした。調査で、核実験場の周辺地区の住民と児童の間では11年間に悪性腫瘍の死亡率は上昇しておらず、遺伝性疾病や先天性奇形の罹患率も増加していないことが分かった。

50人余りの専門家が参与したこの研究成果は1989年に「環境科学研究」誌に掲載された。

(作者はフリーライター)

「北京週報日本語版」2009年12月17日

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