無責任かつ勝手な推断
高田教授の計算方法は多くの疑問を招いた。「青年参考」が今年8月に掲載した署名入りの記事は、これは重大な誤りだと指摘している。資料によると、総面積166万平方キロの新疆オアシスの面積は新疆全域のわずか4.2%の約7万平方キロに過ぎず、居住できる低い山を加え、新疆で居住できる面積は7%しかない。その他の地区はいずれも砂漠やゴビ、高山である。こうした地理的条件では核実験基地としての要件を十分満たすことができる。
当時の核実験の責任を負う権威者によれば、核実験場は荒野の人跡希なロブノール地区にあり、面積は10.2平方キロ。
そのため、高田教授のいわゆる「核実験の過程で、中国は核防護措置を講じていない」という結論は、無責任な推断である。中国軍事医学科学院放射・輻射医学研究所の葉長青研究員は、今年5月に出版した「核実験環境の輻射と人類の健康」でこの点を証明した。この学術書は世界の軍事医学研究における、核実験場の立地条件・要件と各国の核実験場の特徴を詳細に紹介。同書は、新疆東部にあるロブノール地区の核実験場は「都市と町から遠く離れ、風下の方向には居住地区はなく、周辺に果てしないゴビが広がり、地形が広大で、各種の実験要件を満たしている」と記している。
葉氏は長年にわたり放射性毒理と防護の研究を従事しており、同書の別の2人の著者と当時、ロブノールの核実験基地で研究調査作業を行ったことがある。同書は、中国は「その他の核保有国に比べ、核実験の回数は少ないが、成功率と効率は高い。核実験の安全も十分重視してきた。1981年から大気圏内の核実験を止めるとともに、1986年には大気圏核実験の中止を正式に表明した」と記している。これは「サイエンティフィック・アメリカン」のいわゆる「中国の40年にわたる核爆発による放射能の雲が住民の上空を覆ってきた」とする虚言を自ら破綻させるものでもある。
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