草食動物は一般的に友好的で温和と言われているが、日本では草食動物のような男性が「草食系男子」と呼ばれている。そして、少なからぬ女性が「草食男子」に対して、男としての気概がない、と不満を感じており、彼らとの関係については「友情は感じるが愛情には至らない」としている。「草食男子」はまったく攻撃性がなく、女性に警戒心を抱かせないのだ。
「草食男子」という言葉の名づけ親は日本の作家、深澤真紀氏だ。彼女が書いた単行本『平成男子図鑑』が07年にヒットし、その後「草食系男子」が日本の流行語となった。恋愛において能動性に欠ける「草食男子」の最大の特徴は、積極的に愛情を追求しないことで、女の子と熱々にはならない状態を好むという。
男性が「草食化」する原因はどこにあるのだろうか?彼らの成長過程で飛ぶような速さで変化する環境がその性格に影響を与えたのかもしれない。いまの社会はさまざまな不確定要素に満ちており、すべてのことを自分でコントロールすることはできない。そのため、この世代の少なからぬ男性には自信や激しい感情が不足し、責任を負ったり傷つけられたりすることを望まない。それが、「草食」動物が自分を守る一種の「本能」だというわけだ。
東京の結婚情報サービス会社、オーネットが今年成人になる男性に対して交際相手がいるかどうか調査を行ったところ、約80%が「ない」と答えた。そして、交際相手のいない男性の約3分の1が「ほしいと思わない」と答えている。その理由は「1人のほうが楽しい」というものだ。愛情の気配を嗅ぎつけるや積極攻勢をかけ、愛情をわが手に引き寄せる「肉食系男子」に対して、「草食系男子」の哲学は「敵動かざれば、我動かず」なのだ。
だが、『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』の作者である牛窪恵氏は「草食系男子」に期待している。その書の中で彼女は、「草食系男子」は亭主関白のような観念にこだわらず、男女平等をごく自然に受け入れており、日本男性の消費スタイルを成熟したものへと引っ張っていく可能性がある、と評価している。
また深澤氏は作品の中で、以前はデートの必須アイテムであったスポーツカーも今ではあまりにも不経済だとして、多くの男性が快適な低排気量車に傾いている、と指摘している。今や自動車メーカーすらも、若い男性にはスピードやパワーよりも快適な空間を追求したアメニティカーのほうが人気だ、と言う。(3月5日付新華ネットが東京電として伝えた)
「北京週報日本語版」 2009年3月11日 |