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分析・評論  
東日本大震災、中国の観光業にも影響

 

日本の地震、津波、放射性物質漏えい事故は日本の観光業に大きな衝撃を与えただけでなく、中国の観光業にも大きな影響を与えている。隣国である日本からの訪中旅行者数は、訪中旅行者数の国別ランキングでも2位を占めている。日本の観光市場が縮小すると、中国の観光業にはどれだけの影響があるのだろうか?人民日報海外版が伝えた。

▽日本市場の変化が業績にも影響

現在、中国のほとんどの旅行会社は日本行きの観光ツアーをすべてキャンセルしている状態だ。日本からの旅行者も激減している。中日間の観光市場がいつ回復するのかはまだ未知数だ。業界関係者は、「日本市場の変化は中国観光業にとっては比較的大きな損失となり、通年の業績への影響は軽視できない。しかし、日本市場でのマイナス影響は国内市場で埋め合わせることができる」との見方を示す。

観光業は現在、世界最大の産業であり、中国でも近年急速に発展している。国家観光局のデータによると、2004年から2009年、中国国内の観光収入は4710億元から1兆2百億元に増加した。年平均増加率は19%に達し、中国は世界最大の国内観光市場になりつつある。中国はすでに、フランス、米国、スペインに続く世界第4の外国人観光客受入国となった。一方で、海外旅行に出かける中国人の数も年平均11%のスピードで増加しており、海外旅行者の規模はアジア最大に達した。

ある専門家は、「地震と放射能物質漏れ事故の影響が続けば、日本の観光業は大きな影響を受け、入国?出国する旅行者はどちらも大きく減少するだろう。これにより、勢いよく成長する中国市場が日本を追い抜く可能性がある」と指摘する。

▽マイナス影響は埋め合わせが可能

日本行きの観光ツアーを主に取り扱う旅行会社にとって、日本市場の変化による影響は大きい。地震発生後、ほとんどの客が旅行の計画をキャンセルしたという。

中国民航管理幹部学院の鄒建軍教授は「訪中旅行者数を国別に見ると、日本からの観光客数は2位であり、昨年はのべ373万人に達した。日本からの観光客激減が中国の観光市場にもたらす影響は疑うべくもない。しかし、中国の観光市場は地震で短期的には大きな影響を受けるが、長期的な影響は小さいとする専門家もいる。なぜなら、中国の観光市場は国内旅行がメインだからだ。海外旅行による収入は全体のわずか20%あまりであり、中国の訪日旅行者数が中国の海外旅行者全体に占める割合は2.5%、日本からの訪中旅行者数が海外からの訪中旅行者数全体に占める割合は14.3%だ。日本からの観光客が大きく減少したとしても、そのマイナス影響は国内旅行と国際観光ルートの調整などで埋め合わせることができる」と述べる。

▽市場の回復は時間の問題

海外観光市場には「代替効果」が存在する。海外旅行を計画していたが、目的地で突発的な事件が起こった場合、多くの人は計画を変更し、ほかの国や国内旅行を選ぶ。または旅行会社が優遇価格でほかの観光ルートを推薦するかもしれない。

海外からの訪中旅行者市場を見ると、日本からの訪中旅行者数は韓国に次ぐ2位だ。しかし、欧米などからの旅行者も近頃増加しており、日本からの旅行者数が占める割合は年々下がりつつある。関係者は、「中日間の観光市場の回復は時間の問題だ。短期的な市場の変化が中国観光業の長期的な発展に及ぼす影響は小さいし、両国観光業の協力拡大という流れに影響することもないだろう」との見方を示す。(編集SN)

「人民網日本語版」2011年4月28日

 

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