日本の枝野幸男内閣官房長官は5日、福島第1原発の低レベル放射性汚染水を海に放出したことについてお詫びし、「やむを得ない措置」と釈明した。茨城県の漁協は、北茨城市沖で4日に採取したイカナゴの稚魚から規制値を超える放射性セシウムが検出されたことを明らかにした。魚類から規制値以上の放射性物質が検出されたのは震災後初だ。「京華時報」が伝えた。
■汚水を海に放出
東京電力は4日、福島第1原発について、高レベル放射性汚染水の保管スペースを確保するため、廃棄物集中処理施設内の低レベル放射性汚染水を同日午後7時から海に放出すると発表した。
■韓国「日本の行為は国際法違反」
韓国外交通商省は5日、日本の放射性汚染水放出について国際法違反の可能性があるとの考えを表明した。同省によると韓国政府は4日夜、在日韓国大使館を通じて日本外務省に憂慮を伝え、日本側の行為は国際法に抵触する可能性があると指摘し、日本側の対策を問い合わせた。
韓国聯合ニュースによると朴錫煥外交通商第1次官は同日、南北関係発展特別委員会で、汚染水の放出について事前協議がなかったと指摘。必要な場合は日本側に情報の提供と実地調査を求め、日本政府の責任を追及すると表明した。韓国聯合ニュースは汚染水に含まれる放射性物質の濃度は日本の法定排出基準の100倍以上に達すると報じている。
ロシアのイワノフ副首相も、海水が放射性物質で汚染されれば、福島から約160キロ離れたロシアの漁場にも大きな危険が及ぶと指摘。米ロの原子力専門家は日本側の非協力的態度に不満を覚えているとして、日本側は放射能漏れ事故の状況を海外の原子力専門家に公開すべきだと指摘した。
■日本側「やむを得ない措置」
日本の枝野幸男内閣官房長官は5日、事前に通報したのが隣国ではなく国際原子力機関(IAEA)だったことについて、汚染水の放出先が太平洋海域だったためだと弁解した。枝野氏は放出について「やむを得ない措置だったが、申し訳ない。隣国に直ちに汚染が及ぶことはない」と述べた。
松本剛明外相は国際法違反との見方を否定し、日本側の対策を国際社会に完全に報告することを約束した。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年4月6日
|