日本の東部沿海には重要な工業産業が集中している。地震発生後、すでに多くの企業が停電や交通手段の寸断などにより生産停止を余儀なくされている。ある学者は、東日本大震災後、日本の対中輸出が大幅に減少する一方で、中国の対日輸出が大幅に増加する可能性があると分析する。「?国之声中文广播」(ドイツの声:ドイチェヴェレ中国語ラジオ放送)のウェブサイトが16日に伝えた。
学界では、今回の大地震により日本の国内経済が受ける影響は、地震と同じく巨大なものであり、日本経済は大打撃を受けるだろうとの見方が一般的だ。大地震は、経済の低迷を脱却しようと努力していた日本に大きな衝撃波をもたらした。そんな中での一連の産業チェーンの生産停止は、まさに泣き面に蜂と言える。
一方で、日本での大地震が中国経済及び中日経済貿易関係にもたらす影響については、多くの学者が「短期的には中国経済への影響は小さく、長期的に徐々に影響が現れるだろう」との見方を示している。
神戸大学の経済学者・梶谷懐氏は、「日本政府が今後、いかなる財政・金融政策を打ち出すかは、経済回復にとって非常に重要な意味を持つ。日本政府は現在すでに財政収入の不足という問題を抱えている。日本経済をできるだけ早く回復させるためには、財政支出を拡大する必要がある。財政収入の問題が解決されなければ、日本の不景気は長引き、中国経済にも大きなマイナス影響をもたらすだろう」と述べる。
メリルリンチは日本大地震後、直ちに分析報告を発表し、日本最大の貿易パートナーである中国が受けるであろう影響についても評価を出した。報告は、「過去20年間で、中国は徐々に日本の大手多国籍企業の生産ラインの一部となった。中国では川下製品を、日本では川上製品を生産している。日本でチップなどの要となる川上製品の生産が中断されれば、中国での最終的な製品生産も大きく影響を受けるだろう」と指摘する。例えば東芝のナノチップ生産設備は被災地にあり、アップルやその他のモバイル設備製造企業は、このナノチップを使うモバイル設備を中国で組み立てている。
メリルリンチの報告では、中国の対日輸出は地震によって逆に増加する可能性があるという。同報告は「地震発生後、食物から消耗品にいたるまで、物資供給が打撃を受け、短期的には中国の対日輸出が増加するだろう。その後の復興においても中国の対日金属・機械輸出が増加する可能性がある」と指摘する。
清華大学の劉江永氏も同様の見方を示す。現在、日本政府の主な任務は再建・復興問題だ。地理的にも中国は日本から最も近い大国だ。建築材料、労働力、日用品、食品など多方面において中国は復興必需品の供給国となりえる。
劉氏は「中日貿易は今年、25%から40%の伸び幅となる可能性がある。中国の対日輸出は想像を上回るだろう。日本の対中輸出は同レベルもしくはやや減少すると見られる。しかし、これには多くの変数が含まれる。全体的に見ると、地震は中日両国の経済貿易関係、人員の往来には悪影響をもたらすが、災害救援と復興のプロセスでは、客観的に見て中日両国関係の密接化、深化にプラスとなる可能性がある」と述べる。(編集SN)
「人民網日本語版」2011年3月21日
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