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斎藤文男氏のブログ  
◇中国人学生が語る「日中関係の未来」◇
 

◇二人で両国の架け橋になろう◇

 南京市人民政府対外友好協会賞を受賞した南京大学2年の張思凡さんも、日本人のメール友達との交流を通じて、「若者同士の交流による相互理解の促進」が必要なことを強く訴えた。日本の友人は、中国の環境問題や食品安全問題などが日本で報道されたことにより、中国に対してよいイメージを持っていなかった。高校時代の修学旅行で南京を訪れ、張さんと知り合い、メール交換が続いている。友人は中国を実際に訪れてみて、「中国人の優しさとおおらかさにとても感動した」とメールで伝えてきた。友人は今、大学で中国語を専攻している。今年の正月のメールでも「これからも、中国語の勉強を頑張り、将来は中国にかかわる仕事したい」と抱負を送ってきた。「中国語を学ぶ日本人と日本が好きな私と一緒に中日の架け橋になろうと、二人で励まし合っています」と語り、「国同士の相互理解も、私達のような若者の交流が重要になると思います」と、流暢な日本語でスピーチした。

◇草の根交流の時代◇

 コンテストには、南京市に完成した中日友好柔道館の竣工式に出席するため訪れていたロサンゼルス五輪(1984年)柔道で金メダリストの山下泰裕・東海大学教授も審査員として参加し、特別賞として山下泰裕賞を提供してくれた。山下賞を受賞した三江学院3年の孫璐さんは、「これからの中日交流の主役は民間人です」として、草の根交流が必要なことを呼び掛けた。「隋、唐の時代の交流は、一部の僧侶や学者でした。改革開放後は、政治家や経済人、留学生が中心の中日交流でした。しかし、これからは民間のボランティアが活躍する時代です」と、会場の人たちに話しかけるように訴えた。「今の私は、中国語を学ぶ日本人を援助したり、南京にやってくる日本人の通訳をすることぐらいしかできませんが、草の根交流を進める一人として全力を尽くしたいと思います」と決意を述べた。

◇遠眼鏡の存在になりたい◇

 南京日本商工クラブ賞を受賞した南京師範大学3年の岑晨さんは、「日中関係の未来について“遠眼鏡”に例えて考えてみたい」と話し始めた。「日本語を学ぶ私たちは、日中の架け橋になるより、“遠眼鏡”のような存在になりたい」とユニークなキーワードを使った。「遠眼鏡というのは、長い距離を超えて、物の本当の姿を伝えるものです。誤解や偏見を解いて、中日両国の人たちが客観的に相手を見ることができれば、理性的な関係を作っていくことが出来ると、私は信じています。中国と日本の“遠眼鏡”になることが、日中関係の未来を考える上での私の夢であり、私の役目だと考えています」と結んだ。

 4人には特別賞と記念品が授与され、他の10人にも、各大学から選抜された代表として入賞の賞状と記念品が贈られた。

◇「寿限無」のように末永く◇

 入賞者の中で個性的だったのは、南京航空航天大学2年の袁亦秋さんのスピーチだった。「中日関係は夫婦のハネムーンのようにあってほしい」と話し、それを願う中日の若者たちでボランティア組織を作ってはどうか、と提案した。そして、中日の友好関係を、落語の「寿限無」にある長い名前に例えて、「寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ……長久命の長助」のように末永く続くことを祈ります、と落語の一節を演じて、落語のようにオチのあるスピーチだった。

◇日本人留学生と出会って◇

 南広学院2年の鮑玉蘭さんは、大学で日本語を勉強するまで、日本語や日本についてまったく関心がなかった。大学で日本語を専攻したのも両親の勧めだった。しかし、去年、蘇州に旅行に行き、日本人の留学生と偶然出会ってからは日本に対する考えが変わった。その留学生は中国が大好きで、中国語を勉強しており、将来は日中友好関係の仕事したい、という熱意あふれる話を聞いてから、自分でももっと真剣に日本語を勉強する意欲が出てきたという。

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