南京大学日本語学部専家・斎藤文男
南京市内にある大学日本語科の学生たちによる「南京市大学生日本語スピーチコンテスト」が2日、南京大学内で開催され、14大学から選抜された14人が「日中関係の未来」のテーマについて熱く語った。学生たちの主張は、「政治家や経済人の往来だけでなく、若者同士の友情や民間交流が増えてこそ、本当の日中関係ができあがる」と前向きなものが多かった。日本語を学ぶ我々学生がその中心になるべきと訴える人や、落語「寿限無」の一節を入れて、このように「末永く中日友好関係が続くことを祈ります」と、長い名前を巧みに演じる学生もいて、会場の笑いと拍手を誘っていた。
コンテストは、「2010年南京・ジャパンウィーク」の主行事の一つして行われた。南京大学が主催し、在上海日本国総領事館・南京市人民政府対外友好協会・南京日本商工クラブ後援、華東理工大学出版社・卡西欧(上海)貿易有限公司協力で開かれた。南京大学逸夫館報告庁の会場には、各大学の応援学生ら300人近くが詰めかけた。
「日中関係の未来」について熱く語った南京市大学生スピーチコンテスト
◇対話を通じて信頼と友情を◇
上海総領事館賞を受賞した南京農業大学2年の王洪剛さんは、「これからの中日友好関係を築いていくのは、次の世代を担う若者が、対話を通じた信頼と友情を土台に、活発な交流をすることが必要だと思う」と主張した。王さんは「中国と日本は、一衣帯水の夫婦のような関係にある。夫婦は仲良くなければ離婚することができるが、中国と日本の距離を引き離すことはできない」と、隣り合っていることを強調した。そして、「私は歴史を忘れません。南京大虐殺事件も忘れません。中日間の2000年の友好の歴史も忘れません」とし、若者同士が対話を通じて友情と信頼を強め、幅広い交流を進める必要性を訴えた。
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