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斎藤文男氏のブログ  
奉仕活動10年目で結実した「日本語スピーチコンテスト」

 

◇スピーチの中に落語、歌謡曲、漢詩も◇

会場は120人程の学生らで埋まり、スピーチの内容もユニークなものが続いた。日本語の発音を練習するために落語の「寿限無」を覚えて、スピーチの中でそれを巧みに披露する人や、「私と古い日中文化」というテーマのスピーチの中に王維の詩を入れたり、唐代の南京の街を歌った劉禹錫の「烏衣巷」を中国語と日本語の読み下し文で朗読する人もいた。日本の演歌の故郷として「無錫旅情」をスピーチの中で歌い、会場を盛り上げる発表者もいた。私もスピーチの休憩時間にハーモニカで「茉莉花」「南泥湾」「北国の春」「童年」を演奏して発表者の緊張感を和らげ、わずかながら雰囲気作りのお手伝いをした。アンコールの拍手があったのには驚いた。

◇全員入賞、ユニークな入賞名◇

発表した人は日本語の学習を始めてから2、3年という人がほとんど。大学で日本語を専攻していたり、日本語コーナーを中心に独学で学んだ人もいたが、主催者側が予想していた以上の素晴らしいスピーチだった。今回は一回目のコンテストだったことから、奨励する意味も込めて21人全員が入賞となった。入賞名は「未来は明るいで賞」「みんなが喜んだで賞」「まるで七歩の詩で賞」「日中友好の橋になるで賞」「夢は実現するで賞」「心に太陽があるので賞」などスピーチの内容に応じて個性的な名称となった。

南京市外事弁公室で15年間、中日交流関係の仕事で活躍されている来賓の孫曼さんは、発表者の全体的な印象として次のように語り、学生たちを励ました。

「スピーチの内容が良かった人、話し方が上手だった人などそれぞれでしたが、全体的にはとてもよかった。しかし、中国語の漢字をそのまま日本語読みにしているケースもありました。中国語も日本語も同じ漢字を使っているが、意味が異なる場合があり、このようなことは大きな落とし穴になります。日本語で話す場合、中国語を日本語に訳してから話すのではなく、始めから日本語で考えることが必要です。中日の交流をさらに深めて、幅広い教養を身につけ、今後もしっかり学習してください。」

入賞者21人全員が賞状と賞品を受け取ったあと、発足からこれまで10年間、日本語コーナーを主宰してきた柴崎了三さんが最後に挨拶した。

「私たちは何も見返りを求めないでこれまで10年間、日本語学習のお手伝いをしてきました。ここを巣立った人たちは、これまでに1万人ぐらいはいるでしょう。10年間はあっという間でした。私たち日本人だけでなく、中国の多くの人たちのボランティアにも支えられながらやってきました。これからも、できるだけ長く、この日本語コーナーを続けていきたい」と、支援者らに感謝していた。(写真はハーモニカ演奏を除き、すべて筆者撮影)

「北京週報日本語版」2009年12月14日

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