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【国際観察】新型コロナウイルス下の米国:貧困層の困窮と富裕層の不義
  ·   2020-07-22  ·  ソース:人民網
タグ: 社会格差;米国;政治
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新型コロナウイルスの流行により、全く相反する2つの米国が目撃されている。一つは悲惨な境遇にある米国だ。現在米国人の100人に1人が感染者で、累計失業者数は5000万人を超え、第2四半期のGDPは大恐慌以降最も深刻な37%の急落となる見通しだ。もう一つは繁栄を謳歌する米国だ。株価は上がり続け、米国の富豪600人余りの資産は3月から5月にかけて4340億ドルも増加した。

米国の言うところの民主主義を灯台に喩えるなら、この2つの米国のうち1つは灯台の光の下にあり、もう1つは暗い影の中にある。

米国は世界で最も豊かな国だが、現実には3000万人近くが医療保険に加入しておらず、国民の14%が病気になっても治療を受けられない。米政府は医療企業に値下げを要求していない。反対に、医療業界は連邦議員1人あたりロビイスト5人を雇っている。3月に米議会は新型コロナウイルス感染症の治療薬とワクチンに関する31億ドル規模の法案を可決した。製薬会社はロビー活動によって、薬価の抑制に関する規定を弱め、あるいは削除することに成功した。

ニューヨーク・タイムズは「数百万人が苦しみもがいている時に、米国の医療体制は社会的不平等のエンジンへと変わった。貧困層やサラリーマン層から価値を搾取して、すでに満ち溢れた富裕層にさらに多くの富を捧げている」と指摘した。

富裕層はますます富み栄え、貧困層はますます困窮している。米国においてこれは新型コロナ感染症の下での事だけでなく、過去30年間ずっとそうだった。米連邦準備制度理事会(FRB)の報告は、1989年から2018年にかけて、最も富裕な1%の家庭の資産が国民全体の資産に占める割合は23%から32%に上昇した一方で、最底辺の50%の家庭の資産の純増はほぼゼロだったことをはっきりと示している。

新型コロナウイルスは命を米国社会という天秤の分銅にして、富裕層をますます豊かにし、貧困層をますます貧しくしている。米国の民主主義の真相はますます人目を引いている。すでに米政府は金権政治によって富豪の代弁者となっている。

住民の1人当たり所得が220万ドルのフィッシャー・アイランドは、もう一つの例証となる。フロリダ州に位置するこの「富豪島」に住む800世帯は4月、コックや管理人を含む全員が新型コロナウイルスの抗体検査を受けた。同島のスポークスパーソンは声明で、住民の半数以上が60歳以上の「ハイリスク・グループ」であることを指摘した。

同様に「ハイリスク・グループ」であるカークランド・ライフケアセンターの高齢者らは、これほど幸運ではなかった。2月時点で、同センターには高齢者120人が入居し、180人の職員がいた。職員のうち70人に新型コロナウイルスの症状が出ていたが、3月7日に同センターが受け取った検査キットは45セットだけだった。5月13日までに米国の老人ホームでは、2万9100人以上の高齢者と職員が感染症のために亡くなった。

これが新型コロナウイルス下の米国だ。資本家は政治ロビー活動と献金によって、自らを保護する法案を速やかに可決させることで、その資産が価値を増すことをひたすら享受している。その一方で、数多くの貧困層や有色人種は数倍の罹患率、高額な医療費、そして失業の圧力に直面している。一方は天国であり、もう一方は地獄。米国式自由民主主義の灯台が照らすのは、常にピラミッドの頂上にいる1%の人々だけだった。一方の貧困層は灯りの届かない暗闇に縮こまり、こうした人々の犠牲となり、踏み台となっているのだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年7月21日

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