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思い惑う日本とやりきれない選挙
時永明  ·   2017-10-24  ·  ソース:
タグ: 安倍首相;日本;政治
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10月22日、日本でどうにもやりきれない国会選挙が行われた。やりきれないと言うのは、これが予定外の選挙であり、しかも最初からほとんど結果が分かりきった選挙だったからだ。東京都知事に当選した人気に乗じて小池百合子氏が希望の党を結成し、さざ波を立てたものの、最終的には安倍晋三首相率いる与党連合が衆議院の3分の2の議席を獲得した。日本メディアは、このような選挙結果になった原因を野党がふがいなかったからだと総括した。しかし実のところ、野党敗北で映し出されたのは思い惑う日本社会だ。惑いの中にあって、人々には2つの選択があった。1つは安定、もう1つは変化だ。明らかに、日本の大多数の投票者が選んだのは前者だった。有権者はその多くが安倍首相個人を嫌っていながらも、自民党への支持を示した。そして安倍首相は今回の選挙で自身の政治理念を実現する機会を手にしたのである。                 

民主を損なう選挙 

今回安倍首相が突然国会を解散したのは、国会内の政見不一致が原因ではない。与党が絶対的優位にある状況下では、野党の反対意見は通常意に介されないからだ。安倍首相はこれまで2度にわたって強行採決の形で法案を通過させている。1回目は2015年のいわゆる新安保法の強行採決、2回目は今年6月15日に委員会採決を省略する形で行った「組織犯罪処罰法」改正案の強行採決だ。1回目はまだ議論が平行する中での強行採決だったが、2回目は野党が議会で法案について議論する権利を与党が直接奪ったものだと言える。従って、議会と行政権の関係という角度から見て、安倍首相が国会を解散する必要は全くなかった。 

では、安倍首相がどうしても国会を解散して予定外の総選挙を行う必要があったのはいったいなぜなのか?それは安倍首相が「学園スキャンダル」による政治的・法的責任を逃れるためである。「学園スキャンダル」で安倍首相はさんざんな目に遭っていた。7月の安倍内閣支持率は26%まで大幅に低下し、第2次安倍政権発足以来最低となり、不支持率は56%にも上った。反安倍の声がひっきりなしに上がったにもかかわらず、与党の国会における絶対的優位を頼みに、安倍首相が変わることは依然としてなかった。その後、朝鮮半島情勢が緊迫し、安倍政権は朝鮮の脅威を盛んにアピールし、日本国内世論の注目点が移り、安倍政権の世論調査での支持率も回復していった。安倍首相はまさしくこのタイミングを利用し、思い切って国会を解散し、再度選挙をすることで国会の学園スキャンダルに対する追及を逃れようとしたのである。安倍首相の国会解散が私利のためだった以上、今回の選挙後、日本のいわゆる民主法治は歴史の検証を受けざるを得ないだろう。 

日本の民主は安倍首相への権力集中に直面 

日本社会に広く自分に反対する気分があるのを分かっていながら、安倍首相が国会を解散し総選挙を行ったのはなぜか?核心的な理由は、冷戦後20年余りの政局混乱・統合を経て、現在日本には自民党以外に選ぶべき政党がなく、自民党内にも安倍首相と戦える人物がいない局面が出来上がっているからだ。  

今の日本の政党政治が実際には民主的ではない問題の根本原因は、1955年に出来上がった、保守政党一党のみが強い「55年体制」にある。今回、小池百合子東京都知事が立ち上げた「希望の党」は安倍首相の強硬なイメージに反対する以外、独自の理念はいっさいなく、さらに将来の希望がどこにあるのかを有権者に訴えることもできなかった。最もカギとなった改憲問題で、小池都知事は断固改憲派に回り、改憲反対派の入党をはっきりと排除した。「希望の党」は反安倍で一時的に注目されたにすぎず、小池代表と安倍首相の理念が似通っていたために、最終的に自民党を脅かすパワーになれなかった。 

思い惑う日本 

安倍首相が今回自民党のために確定した選挙綱領の核心は改憲だったが、選挙戦略上、選挙戦中はできるだけ改憲問題に触れることを避けた。安倍首相は経済問題といわゆる朝鮮の脅威で有権者を引き付け、惑わせた。このような典型的な羊頭狗肉のやり方で人をだますことはできない。しかし有権者はそれでも自民党を選択した。そのうち多くの人は必ずしも改憲を支持したのではない。彼らが本当に望んだのは自民党という安定した政治システムだ。保守勢力の長期的統治と影響の下で、日本社会は思考し、抗争する力を失った。若者もおしなべて人類の進歩と世界情勢を追求する意欲と能力に欠けている。彼らは新たな世界を追求する力も欲も持たず、むしろ自民党とともに歴史上のいわゆる「栄光」を振り返ることを望んだ。これこそが自民党大勝の真の背景である。 

不測の事態がなければ、安倍首相は今後も日本の首相を務め、安定した4年の任期を得ることになる。安倍首相の核心的政治目標は自民党結党の初心を実現し、「外国人に押し付けられた」平和憲法を改正して、日本の軍事大国化を合法化することである。しかし、それらが実現した後、日本はどう歩んでいくのだろうか? 

安倍首相を始めとする右翼勢力は、今後日本を見たところは強大にするかもしれないが、それと同時に日本の魂を空っぽにし、日本を危険な道へと向かわせるだろう。日本の良心は呼び覚まされるのか。日本の最後の希望はそれに託されている。 

「北京週報日本語版」2017年10月24日

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