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安倍首相の夢と日本の苦境
時永明  ·   2017-07-28  ·  ソース:
タグ: 安倍首相;自民党;政治
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このところ、安倍晋三首相はつらい日々を送っている。東京都議会選挙で自民党が大敗したことで、安倍首相の政治運営が民心を失っていることに人々は突如気づいた。共同通信社の世論調査によると、安倍内閣の支持率は年初の50%以上から35.8%まで大幅に下落した。この世論調査結果が発表されてから2日もたたないうちに、毎日新聞社が同社の実施した世論調査結果を発表。安倍内閣支持率は26%まで大幅ダウンし、第2次安倍政権発足以来の最低記録を更新し、不支持率は56%に上った。今回の世論調査が安倍首相にもたらした最大の問題は、来年9月の自民党総裁任期満了に当たり、総裁が「代わった方がよい」との回答が62%にも達したことだ。もし本当に民意の望む通りになれば、安倍首相の長期政権の夢が破れるだけでなく、任期内の平和憲法改正という大きな願望も挫折する可能性がある。 

安倍首相の3つの間違い 

安倍首相の信望が下がり続けている直接的な原因はその3つの間違いだろう。第1の間違いは安倍首相が2度にわたって学校の土地取得や学部創設について職権を濫用したとされていることだ。安倍首相は今年3カ月間で連続して2つの「学園」問題が暴露された。1つ目は安倍首相夫妻と密接な関係にある森友学園問題だ。この問題が解決されないうちに、今度は加計学園問題が明るみに出た。首相の権力がこれほどまで濫用されるケースは、西側から政治的に立ち遅れていると非難され続けている発展途上国にすら常軌を逸していると受け止められるだろう。 

安倍首相の犯した第2の間違いは稲田朋美防衛相の登用だ。安倍首相は稲田防衛相の理念が自身と非常に近いと考え、ひいては後継者に育てるつもりだった。しかし、東京都議会選挙の自民党候補の応援演説で、「自衛隊としてお願いしたい」と自民党候補への投票を呼びかけたのである。これに対し野党はすぐさま「稲田防衛相は自衛隊を政治利用し、公職選挙法に違反している」と非難し、きっぱり辞職するよう求めた。また稲田防衛相は年初、自衛隊内部の南スーダンでのPKO活動日報を防衛省に隠蔽するよう指示した疑いが持たれている。この件を野党は徹底的に追及し、自民党の信頼は大きく影響を受け、さらには自民党内でも安倍首相に稲田防衛相を切り捨てて党を守るよう求める声が高まった。7月28日、稲田防衛相は自衛隊のPKO活動日報をめぐる問題の責任を取り、辞任した。   

安倍首相の第3の間違いは国会の「暴走」だ。安倍首相は国会で過半数を占める優位性を利用し、論議を尽くさずに採決を強行しようとした。前回の安保関連法案の際、自民党は強行採決の方法を取った。6月15日、安倍首相のスキャンダルがふくらむ中、自民党は参議院法務委員会での採決を省略する形で、「組織的犯罪処罰法」改正案を可決させた。このような過半数の優位性を利用し、自分が正しいと一貫して強調し、討論を許さない専制的なやり方は、日本の民衆に安倍首相の強権に対する疑念と懸念を抱かせている。

日本政治の苦境 

まさにこの安倍首相が犯した3つの間違いによって、自民党は東京都議会選挙で惨敗した。そして先ごろ行われた仙台市長選挙でも、自民党が支持する候補者が敗れた。 

しかし、自民党が地方選挙で敗北し、次々と起こる安倍首相のスキャンダルで支持率が大幅下落したことで、安倍首相を退陣させられるだろうか?日本の政界の現状から見ると、断定はしにくいのが実情だ。 

現在、日本の政局は構造上の苦境と路線選択上の苦境という2つの苦境に陥っている。構造上では、日本の政界は現在自民党の一強状態で、自民党内は安倍首相一強の局面にある。これまで、自民党内は派閥によって均衡を図ってきた。しかし派閥間の争いが絶えず、政局は不安定だった。小泉政権時、脱派閥化を実行し、郵政改革を通じて党内の反対勢力を追い出し、一時的に2大政党が交代で政権を握る局面が形成された。だが、それによって自民党内の統一性が極めて大きく強化された一方で、民主党は寄せ集めの党に過ぎなかった。そのため、安倍首相は再度政権に就いた後、一部の派閥が弱体化し、党内のもう与党の地位を失いたくないという心理を利用して、権力を一手に収め、党内に挑戦しようとする者のない局面を作り上げた。安倍首相がいくつもの困難を抱える今であっても、依然として安倍首相に挑戦できる人材はいない。

自民党以外では、民主党は瓦解が進み、現在では民進党として再編されている。自民党の社会支持率は35%に下がったが、民進党の支持率がそれで上がることはなく、それどころか2%下がり、どうにか6%をキープしている状態だ。無所属議員は日本政界の主力になりつつあると見られ、彼らの全体支持率は41%に達している。こうした局面では、次の国会選挙で自民党の地位を揺るがすパワーが生まれるのはまだ難しいだろう。そして自民党も依然として安倍首相から離れることはできない。   

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