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右派の「内輪もめ」で気まずい立場に置かれる安倍首相
廉徳瑰  ·   2017-05-23
タグ: 改憲;安倍政権;政治
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安倍首相は近ごろ、憲法第9条の第1項と第2項を残しつつ自衛隊を合法化する内容を加える「加憲」の考えを何度も示し、それによって「曲線」的な改憲を望んでいる。しかしこの論が示されると、日本の右派内部で波紋と不満を呼び、安倍首相は気まずい立場に置かれている。

安倍首相が改憲を政治目標にするのは、一つには母方の祖父である岸信介元首相と自民党改憲派からの流れがあり、もう一つの政治的源流はいわゆる民間右派組織の「日本会議」である。同組織は右翼宗教民族主義団体がルーツで、現行憲法は実際のところ米国占領軍が制定した占領基本法であり、日本は主権国家として憲法を改正、ひいては新たに制定するべきだと考えている。「日本会議」は設立後、現行憲法廃止の目的を果たすため、自民党の鷹派議員を支援するなどして、政界で代理人を育成した。安倍首相は政治的名門の出身だが、政治家としてデビューした頃は自民党内で威信を欠いていたため、やはり「日本会議」の支援を受けた。

しかし現在、安倍首相の「加憲」論は自民党内と「日本会議」の両面から同時に批判されている。自民党内には、党内で「加憲」に対する共通認識に達していないとして意義を唱える人もいる。例えば石破茂地方創生相は、「党内でこういう議論は一回もしていない。これは自民党の考えではない。第9条第2項と矛盾した考え方だ」と述べている。また自民党の重鎮である古賀誠議員は、「党内の意思疎通もなく突然発言したのでは、国民の自民党不信につながる」としている。このように、改憲問題で自民党が一枚岩ではないという内情がすっかり露見している。

「日本会議」のほうはまた別の角度から安倍首相に対する不満を示している。最近、安倍首相の改憲推進の幅が小さすぎると非難しているのだ。「日本会議」の田久保忠衛現会長は、安倍首相は改憲問題で「風向きを見る日和見主義者」だと述べた。改憲について、「日本会議」国会議員懇談会の平沼赳夫会長は「『日本会議』内に安倍首相に対する不満がある」と率直に語っている。

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