第８回新興５カ国（ＢＲＩＣＳ）首脳会合が１０月１５日から１６日にかけてインド・ゴアで開催された。今回の会合のテーマは「効果的で、包摂的で、共通のソリューションを打ち出す」。このテーマはＧ２０杭州サミットの延長・発展・実行であると見なされ、ＢＲＩＣＳ諸国協力メカニズムが新たな歴史的段階に入ったことを示している。

２００６年に初めて外相会合が行われて以来、今年はちょうどＢＲＩＣＳ諸国協力１０周年に当たる。１０年にわたる共同努力と相互適応の時期を経て、ＢＲＩＣＳ諸国協力は実質を伴うものになり、重要な影響力を持つ国際メカニズムへと発展してきた。ＢＲＩＣＳメカニズムはすでに、首脳会合を主軸とし、安全問題高級代表会議や外相会合などを補助とし、ＢＲＩＣＳ諸国が運営する新開発銀行を実体とし、シンクタンクやビジネス、金融など各分野の協力を支えとした多層的な協力の枠組みとなり、グローバル・ガバナンス革新と持続可能な発展推進への積極的参画などの面でますます重要な役割を果たしている。それは主に以下の２つの面に体現されている。

まず、「ＢＲＩＣＳ」の意義は色褪せず、今後も引き続き光を放ち続けるだろう。ＢＲＩＣＳ諸国の発展潜在性は依然として過小評価してはならない。特に中印両国の経済は依然として力強く成長している。今年、中国経済成長率は６.７％前後を維持することが見込まれ、インドは７％を超える見通しだ。世界経済の低迷・不安定な局面が続く現状において、ＢＲＩＣＳ諸国は依然として世界経済を安定させる「バラスト」の役割を果たしている。

次に、ＢＲＩＣＳ諸国協力メカニズムはすでに、国際経済秩序に影響し、再建する重要なパワーとなっている。世界金融危機の後、ＢＲＩＣＳ諸国を始めとする新興市場国の経済は急速に発展し、政治的影響力が絶えず拡大し、国際的な地位が日増しに高まった。ＢＲＩＣＳ諸国協力メカニズムはまさにこうした国々のために内部の意思疎通と協調を強化する場を提供し、メンバー国は共通する或いは相似した利益追求に基づいて、国際政治経済の旧秩序を改革するべく共に努力し、世界経済構造の多極化を促進している。

ＢＲＩＣＳメカニズムの独自性は、それが既存のメカニズムではなく、関連国がそれぞれの歴史、文化、地政学など多くの障害を克服し、創造的に築いた全く新しい場であり、より合理的なグローバル・ガバナンス・メカニズムを考え、世界のためにソリューションを打ち出すことをその任務とし、良好な適応性と成長性を見せていることにある。

将来的には、ＢＲＩＣＳ諸国は発展途上国の利益とニーズを代表するソリューションをさらに多く打ち出し、南南協力を推進し、グローバル・ガバナンスを整備し、発展途上国のためにより大きな代表権と発言権を獲得し、より公平で、公正で、包摂的な国際秩序を構築するだろう。

「開放的、包摂的、協力的、ウィンウィン」は習近平主席が２０１４年第６回ＢＲＩＣＳ首脳会合の際に打ち出したＢＲＩＣＳ精神である。ＢＲＩＣＳ５カ国がこの精神を長期的に堅持し、開放の中で互いに包摂し、包摂の中で共に発展し、協力の中でウィンウィンを実現し、ＢＲＩＣＳ諸国のグローバル・ガバナンス整備面での協力レベルをさらに高めることを望んでいるし、またそうできると信じている。

「北京週報日本語版」2016年10月17日