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北京週報>>評論  
中央アジア諸国の一体化逆行に対処

         石澤(中国国際問題研究所欧州アジア安全・発展研究センター主任)

 上海協力機構は発足以来、地域の安定維持と安全保障協力展開の分野で重要な成果を上げてきたが、それに比して多国間経済協力の展開ではあまり進展が見られなかった。上海協力機構の経済協力展開を妨げる諸要因のうち、際立った問題は中央アジア諸国の相互関係がしっくりいっておらず、協力観念が希薄であることだ。地域内外の情勢の発展や変化に伴って、地域内諸国間の協力はさらに一体化に逆行しつつある。この点が上海協力機構の今後の発展にとって重要な試練の1つになっている。

 

2012年12月22日、新疆ウィグル自治区のコルガスとカザフスタンを結ぶ鉄道が開通した。中国-カザフスタン間の国際鉄道はこれが2本目

 協力停滞の原因

10年前、中央アジア諸国は多くの政治協力協定を結んだが、近年はこうした協定の締結は大きく減った。特に経済分野で締結される法律文書となると極めて少ない。中央アジア諸国の経済協力プロセスを停滞させた原因は多くの方面に及ぶ。

(1)各国の政治・外交関係がしっくりいっていない。旧ソ連解体後、領土と水資源の区分問題が長期にわたって決着しなかったため、民族紛争や宗教紛争が絶えず、各国間の信頼基盤が弱まり、溝が深まった。政治関係の悪化は経済協力に直接影響を及ぼした。

(2)地域諸国の内部に協力展開の原動力が不足している。中央アジア諸国は経済構造が似通っており、相互補完性が足りないため、域外諸国との経済協力に重点を置き、相互に協力しようという気持ちに欠ける。データで見ると、各国の域外諸国との経済貿易協力規模は域内諸国との規模を上回っている。内在的な原動力が不足している状況で、外側からの原動力だけで推進しても、その成果は極めて限られたものになる。

(3)各国の発展格差が広がり、協力展開をスタートする際のベースラインが異なっている。1人当たり所得を例に取ると、経済が比較的発達しているカザフスタンはタジキスタン、キルギスより10数倍も多い。

(4)協力プロジェクトに対する要求が国によって異なり、共通認識に達するのが難しい。交通、エネルギー、通信など各国の利益に関係する国際協力プロジェクトでは、各国の意見の食い違いが共通認識より大きく、さらに資金も不足しているため、今に至るもなかなかスタートが切れずにいる。

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