邢広程(中国社会科学院中国边疆史地研究センター研究員)
初冬梅(中国社会科学院大学院ロシア・東欧・中央アジア研究科院生)
ブリックスの第3回首脳会談が4月14日に海南省三亜市で開かれる。胡錦濤国家主席が主宰し、ブラジルとロシア、インド、そして今回は南アフリカの首脳がブリックス・グループの一員として出席する。ブリックス(BRICs)の概念は、投資銀行ゴールドマン・サックスのエコノミストであるジム・オニール氏が提唱したもので、驚異的な速度の経済発展で国際社会からますます高い関心を集めていたブラジル、ロシア、インドと中国4カ国という新興経済体の代名詞として用いられるようになった。オニール氏の奇抜な発想に上記4カ国は積極的な反応を示し、中国語で「金のレンガの国」と呼ぶブリックスは、1つの概念から一気に新たな国際交流の場へと変わった。
09年9月4日、ブリックス財務相・中央銀行総裁会議がロンドンで開かれた。記念写真に収まるロシアのクドリン財務相(左2)、中国の謝旭人財務相(左4)、ブラジルのマンテガ財務相(右4)、インドのムカジー財務相(右2)ら (曾毅撮影)
金はどう精錬されたか
何がブリックスの思想上の点石を「金」に精錬したのか。それは経済のグローバル化という大きな流れ。経済グローバル化という大熔炉が、ブリックスを精錬したのである。
誰もが知るように、ブリックスは公式な国際組織ではないが、より多くの人が期待を寄せている。2008年に金融危機が起きた後、米国など西側先進国が支配してきた国際経済・金融秩序に一連の弊害があることが明らかとなり、国際社会からグローバルな金融集団管理メカニズムの確立を提唱する声が上がった。グローバル経済と金融システムが極めて大きな打撃を受け、西側8カ国(G8)の危機への対応力では思うようにいかない中、多くの発展途上の大国を含む20カ国・地域(G20)が国際的な協調と協力のための重要な舞台となった。中国やブラジルなど発展途上国は先ず経済危機から抜け出すとともに、世界経済の発展をけん引、振興させる上で重要な役割を発揮したことで、新興経済体の国際的な地位と働きはより際立った。まさにこうした過程で、ブリックスは徐々に共通の利益と相互の対話・協力のための基礎を見いだした。また、絶えず深まる協調と協力の中で、国際的な経済・金融危機をともに食い止め、対応する能力を高めるなど、実質的に大きな成果を収めた。
08年5月、ロシア・エリカテリンブルグでブリックス4カ国初の外相会談、同年11月にブラジル・サンパウロで財務相会談を開催。09年6月には、エリカテリンブルグで初めて公式サミットが開かれた。10年4月、4カ国首脳はブラジルの首都ブラジリアで開いた第2回公式会談で、経済協力の分野で実質的な意義を持つ文書、ロシア対外経済銀行と中国国家開発銀行、ブラジル国家社会経済開発銀行、インド輸出入銀行間の協力覚書きに調印、4カ国は多国間関係においてさらに重要な1歩を踏み出した。
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