親には人生の道を選ぶ知恵が必要
羅非(中国科学院心理研究所心理健康重点実験室研究員)
家庭の厳格な教育の出発点は、子供が本当の意味での人生の知恵を得られるようにすることであるはずだ。それを目的としているものであれば、国ごとや人ごとに方法は違っても、どれも情理にかなっている。この目的に背くものであれば、ロマンチックで情熱にあふれる方法も、厳しく監督する方法も、どちらも道理にかなっていない。
したがって、親が自ら人生の道を選ぶ知恵を持っていることが求められる。これが親たるものの第一の基本条件である。単純に勉強の成績だけで子供が優秀かどうかを決めるのは、偏ったやり方だ。優秀にもいろいろある。何か一つ優れた才能があるのも、個性と創造力にあふれているのも、どれもすばらしいことだ。
子供は環境の中で成長する。環境には、親、教師、友人が含まれる。子供の自信、創造力、勉強に対する興味は、環境の影響によって作られる。人には誰でも多かれ少なかれ偏りがある。最良の教育とは、偏りや欠点を是正し、子供がバランスよく成長し、本当の意味での高い資質が備わるようにしてやることである。子供のピュアな関心や興味を大事にすることは、環境が最も子供に与えてやるべきサポートだ。もし親が子供自身の興味を傷つけず、打ち砕かず、教師や友人が子供の興味を伸ばしてやることができれば、子供の興味は自然と深い観察へと発展し、そこから知恵が生まれるだろう。
教育にはこうでなければいけないという定見はないし、またあるべきではない。子供に対して、親は知恵を働かせ、放任すべき時は放任し、厳しくすべき時は厳しくすることが必要なのである。(ソース:『環球』誌)
「北京週報日本語版」2011年2月24日 |