(3)主権・債務危機がEUの内外発展戦略の新たな位置づけを促した。
金融危機がEU経済を打撃し、そして緩やかに回復しようとしている中、再び債務危機に見舞われ、ユーロ圏は創設以来最も深刻な試練に直面した。債務危機への対応が最優先の政策だが、昨年発効した「リスボン条約」の実施プロセスはむしろ相対的に滞っている。EU内部の権力配分をめぐる闘争は熾烈であり、EUの国際的地位と対外行動能力の向上はまだ実現されていない。今年のEU理事会は重点を対外関係の円滑化に置き、第1に、EUの繁栄と安全はますます外部の世界の変化に依っている、第2に、価値観と利益の追求がそれぞれ異なる新興の大国が国際システムの構築に全面的に参与している、との考えを示した。こうしたことからEUは、新たな対外戦略目標を打ち出した。世界的問題におけるEUの指導的役割をより効果的に発揮する、欧州の価値観と利益をよりしっかりと擁護する、新興大国とより実務的な協力を展開する。NATOのリスボンサミットが提起した「新戦略概念」も欧州各国の安全への強い関心を反映している。
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ソウルで行われた主要20カ国・地域(G20)首脳会議は2010年11月12日、「G20ソウル・サミット首脳宣言」を採択して閉幕した。 写真は各国首脳および国際組織の代表 (李学仁撮影) |
(4)大国はG20など多角的メカニズムを利用して対立し、国際システムをめぐる指導権争いはより激化した。
G20はその重要性がより際立ち、大国の利益集団による新たな国際秩序をめぐる主導権争奪の重要な舞台となった。グローバル経済の均衡の取れた成長の枠組みと国際金融機構の改革が各国の対立する焦点だった。ソウルサミットにおいて、大国は攻守を競い合い、ルールの制定権と発言権の争いは先鋭を極めた。米国は当該メカニズムのすべての議事を独占することはできないが、依然とその利益に関係する重要な議事を主導するとともに、当該メカニズムにおけるルール制定者の地位を極力確保しようとした。当該メカニズムには先進国陣営と発展途上国陣営が存在しているとはいえ、両大陣営はいずれも「一枚岩」ではなく、各国は主に自らの利益に基づいてグループを組み、真の共通認識に達するのはまだ遠い。安保理の改革も局面は複雑であり、それぞれの勢力と利益の組合せが互いに対立し、短期間で突破口を開くのは難しい。国際システムの主導権争いにおいて、西側の大国は既得権益を擁護するだけでなく、システムと秩序を彼らにとってより有利な方向へ発展させようとしている。中国を含む新興の大国は、システムと秩序の再構築において、その実力と発展への展望とが見合った地位の獲得に力を入れている。国際的な枠組みがさらに深く発展するに伴い、各分野における両者間の闘争は一段と熾烈、複雑になるだろう。
「北京週報日本語版」2011年1月4日 |