「持続可能な安全」の基本的特徴
理念から言えば、「持続可能な安全」は国家が生存するための安全な環境と生態の環境の統一性を強調している。それは戦争によって主権国家間の紛争を解決しないよう求めており、とくに核兵器またはその他大量破壊兵器を使用することに反対し、核拡散に反対し、軍備競争に反対しており、社会や文化、経済、生態環境の破壊を代価にある国または国家集団の一面的な安全の利益と交換することに反対している。
目標から言えば、「持続可能な安全」とは平和と安全な状態の持続可能性を保持することである。伝統的な安全の分野で世界の平和を長期的に保持する、非伝統的な安全では自らの努力と国際協力を通じて、脅威を受けないようにすることである。「持続可能な安全」が追求するのは、比較的低い安全コストによる比較的高い安全であり、人類の安全を守ることである。
内容から言えば、「持続可能な安全」のために講じる措置には予防性、総合性と協業性が備わっていなければならない。当今の世界、国が直面する安全に対する脅威は日増しに多元化している。伝統的な安全の要素と非伝統的な安全の要素が相まって、いかなる国であっても単独で安全への脅威の挑戦に対応するのは難しく、各国が社会や文化、宗教、経済、政治など多くの面で協力を強化し、総合的に整備して、安全への脅威の根源を取り除くことが必要だ。人類の「持続可能な安全」を模索するには、国連がより大きな役割を発揮しなければならない。
範囲から言えば、「持続可能な安全」は国、地域及び世界の安全の総体性の維持を強調している。国の長期にわたる安定を重視し、国の発展と繁栄、民主と法制、公平と正義を認めることが、国内の安定を維持する基礎である。国家の間で「国連憲章」を厳守し、主権国家の生存と安全を保障し、いかなる国の安全に関する政策もその他の国の安全への脅威となってはならない、と主張している。地域の安全協力を主張し、手配する場合は、関係する各国の安全への関心と願望を尊重し、それを踏まえて共通の安全の実現を模索していかなければならない。
方法から言えば、「持続可能な安全」は国家間で平和への多国主義を実施するよう提唱している。東南アジア諸国連合(ASEAN)フォーラムや上海協力機構(SCO)、「6カ国協議」などアジアの多角的な安全対話や協力のメカニズム及び方法はいずれもこうした国々の間の平和への多国主義を実践したものだ。これは一種のアジアの特色を体現した安全のモデルであり、単独で武力に訴える、または多国が共同で武力に訴えて国際紛争を解決することには不賛成だ。中国外交は米国の単独行動主義、強権政治を実行することに反対し、他国主義を提唱したことがある。オバマ政権は発足後、多国主義の重要性を強調。だが、仔細に分析すれば、中国が参与する多国主義は米国が主導する多国主義とは本質的に異なることが分かる。全世界であれ、地域の範囲内であれ、中国が参与する多国主義は平和の多国主義、非暴力の多国主義であり、米国が主導する多国主義には共同軍事行動を取ることを含む強権的な多国主義であり、「持続可能な安全」を模索するには平和な多国主義を提唱することが欠かせない。
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