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評論  
世界は「持続可能な安全」が必要

劉江永(清華大学国際問題研究所教授)

世界が21世紀に入って以来、伝統的な軍事の安全のほか、経済の安全、金融の安全、情報の安全、文化の安全、科学技術の安全、テロリストの摘発、麻薬密輸、感染症の防止・治療といった非伝統的な安全の要素が目立って増えており、一部の伝統的な安全の要素と相まって、「持続可能な安全」問題は日増しに先鋭化して人類の眼前に横たわっている。

「持続可能な安全」の概念と意義

2003年に米国がイラク戦争を発動した後遺症に、筆者は人類の「持続可能な発展」という命題を模索するよう促された。事実は、コストが高く安全性の低い米国の国家安全モデルは長期的に持続することはできず、非科学的であることを証明したからだ。これは古い問題だと考える人がいるが、それは中国が一貫して恒久の平和を追求してきたからである。だが、平和は決して安全と同等ではない。平和とは戦争のないこと、安全とは脅威を受けないことを指す。

筆者は、「持続可能な安全」の定義とは、国家、地域ないしグローバルな長期的な持続の確保と安全という客観的状態を指す、と考える。「持続可能な安全」はいかに社会の動乱や衝突、戦争など政権と国家の危機をいかに防止するかに係わるだけでなく、生態の被害や核の被害といったグローバルな安全問題をいかに避けるかにも係わっており、国と国、国と人、人と人、人と自然といったグローバルなシステム全体における人類の恒久の安全という戦略的問題を含んでいる。

その範疇には伝統的な安全と非伝統的な安全という2つの大きな分野と、国内と国際という2つの大きな面が含まれる。その追求する価値・目標はコストが低く、安全の高い持続可能性であり、国家の安全状態が脅威によって中断しないようにすることである。その特徴は世界性、共通性を有していることであり、ある国の安全問題だけでなく、地域ないしは国際社会の共通の安全に係わる可能性もある。多国の安全に危害を与えれば、「持続可能な安全」を得るのは難しく、総合的な安全と協力の安全を重視してこそ、共通の安全と恒久の安全を求めることができる。総じて言えば、「持続可能な安全」と「持続可能な発展」が同等に重要であるのは、人類に安全がなければ発展について語ることはできないからだ。

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