海上権力の発展は平和的台頭に影響を及ぼすものではない
中国の海上権力の発展は周辺諸国との衝突を招くことになり得るかどうかは、実際においてはつまり釣魚島の問題と南中国海の問題において日本と東南アジア諸国と衝突が発生することになり得るかどうかということである。いささかの疑問もなく、「主権を放置し、共同で開発する」ことは依然として中国が今後海洋権益にかかわる紛争を処理する基本原則であるが、本当にこの原則が関連各方面の協力を得るには、まさに中国が十分な海上権力、特に海軍力の支えを持つことを必要とする。
十分な海上権力はまさに中国の内政と外交の安定を確保し、内乱と地域的衝突を避ける基盤と保障である。このため、適切に海上権力を含む国防力の発展をはかることは、絶対に平和的台頭と対立するものではなく、もちろんいかにして両者間の関係を処理するかは自然に情勢を制御する戦略的英知と手配を必要とする。
中国の海上権力の発展は現存する覇権国であるアメリカとの衝突を招くとともに、中国の平和的台頭に消極的な影響をもたらすことがあり得るかどうか?
中米関係の大きな趨勢から見て、限られた衝突と限られた協力が共存することは中米関係の基本的な特徴をなすものであり、将来、中米両国間に武力衝突が起こる唯一の可能性は台湾問題にあり、それが起こる条件は台湾が「独立」を宣言し、中国大陸に武力で台湾問題を解決するよう迫り、アメリカが武力による介入を選んでさらに中国とぶつかることである。つまり、中国が有限の海上権力を発展させることは別に中米衝突の構造的要素となるものではなく、これは中国の海上権力の発展がその主権についての訴えにかかわるものであり、国の平和統一を実現し、その海洋権益を守るために交渉への分銅を増やすことにかかわるものであり、北西太平洋地域に存在する一定の有限な勢力の形成にかかわることによって決まるばかりでなく、その上中国の海上権力はたとえ既存の基礎の上で一定の発展をとげるとしてもアメリカへの脅威とはなりにくいことによって決まるものである。
このため、ここで明らかにしなければならないのは、中国の海上権力の有限な発展が主観的においてアメリカの海上権力を挑戦の対象とすることはあり得ず、その可能性もない。中国の海上権力発展の戦略も陸地安全とその戦略的手配を放棄してグローバルな海上権力戦略を選ぶ可能性はなく、主権の必要と一定の海洋の空間の満足を目指す有限な海上権力戦略のみに過ぎない。このため、中国の海上権力の発展は別に中米衝突をもたらす構造的な要素を構成するものではない。
「北京週報日本語版」2010年5月12日
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