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評論  
認識変革を求められる中国領海戦略

劉中民(上海外国語大学中東研究所教授)

 

公海で訓練を行う中国海軍の艦隊
 

中国の海洋戦略についての討論が最近はまたホットになっている。中国海軍の艦隊の日本の沖縄付近の公海における訓練は、日本側の極めて大きな関心を引き起こしている。中国の艦隊が初めてペルシャ湾を訪問したことについて、西側は海上シルクロードの再開を目指すものだと驚きをこめて叫んでいる。著名な記者兼学者のロベルト・カプラン氏はさらに『外交の戦術』最新号に論文を発表し、中国の陸地と海洋の利益の境界について検討している。

ここ数年来、学界とマス・コミには中国の海上権力発展の戦略をめぐってずっと鋭い考え方の違いが存在している。中国が海上権力を発展させるとともに、強大な海軍をつくることを必要とすると声高に唱えているものもおれば、「海上権力に関する間違った認識に陥る」ことを避けなければならないと主張している学者もいる。筆者は、中国の海上権力の発展は次のような思考における3つの間違った認識から脱却すべきであると思っている。

陸地国境を安定させるには領海をおろそかにするべきではない

地政学の面で、中国は典型的な陸海複合型の国であり、海上と陸地から来る被害をこうむりやすい二重性は中国の地政学における弱みとなっており、中国が必ず海上と陸地という2つの面での発展の一定のバランスを保つことに努めるとともに、国の大きな戦略において本当に国の発展にプラスとなる道を選ばなければならないことをも決定づけている。

歴史において、陸地からの圧力に対応することはずっと中国の歴代王朝の国防の重点であった。明(1368-1644)の中葉から中国は陸地と海上からの二重の圧力に直面し始め、そして清(1616-1911)の時代になって、日ましに深刻になった「陸上防衛」と「海上防衛」という二重の危機が共存することへと発展した。新中国の建国以後、特に1960年代において、旧ソ連とアメリカは中国に対する陸地と海上からの二重の圧力を構成し、中国の安全環境はきわめて悪くなった。

冷戦終結以後、中国の地政学における環境は極めて大幅に改善され、中ロ戦略的協力パートナーシップの確立と発展、上海協力機構の創設によって、中国北部の陸地国境安全の環境は歴史上最も望ましい時期に入った。現在、中国は南アジアの陸上周辺諸国との間に依然として中印などの国境問題が存在するとはいえ、しかし全般的な状況は良好である。このため、ある程度ではあるが、北西部と南西部の陸上国境安全の環境は新中国建国以後、ひいては歴史上最も良好な時期にあり、それによって中国が相対的に力を集中して海上権力を発展させる上で比較的良好な戦略的チャンス期をもたらしている。もちろん、ロシア、中央アジア、南アジア諸国との協力を引き続き強化することは、依然として中国が処理しなければならない重要な安全のテーマであり、しかも十分な外交的英知を必要とする。

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