地球は地震活発期に入ってはいない
許紹燮(中国地震局地球物理研究所):
現在、世界は地震活発期には入っておらず、地震が頻繁に発生していると思うのは人々の錯覚にすぎず、絶え間ないニュース報道と比較的正確な地震観測のせいで、地震がひっきりなしに起きていると感じているだけだ。
地震の発生には周期法則性があり、多い時もあれば少ない時もある。今はちょうど地震のピークにあたっている。史料によれば、地震活動と太陽の活動は、百年という時間軸、季節性、昼夜の別についてそれぞれ関連性がある。百年という尺度では、太陽の黒点活動が最も少ない時期に、大地震は多発期に入る。大地震は春分と秋分の近くよりも夏至と冬至に近い時期に起こることがはるかに多い。また大地震は正午以降と夜間に多く発生している。
エレオノール・スターツマン(フランス・パリ地球物理研究所地震学者):
今年の初めに連続して2回強烈な地震が発生したが、このことから世界の地震の頻度が例年より多いと判断することはできない。一般的には、マグニチュード8前後の地震は平均して毎年一回発生しており、そのうちほとんどが海中で起きたもので、死傷者も財産損失も出ないためほとんど注目されない。今回のチリ地震のマグニチュードは9に近かったが、これだけの強震はさらに稀で、約10年~15年に一度しか起きない。
劉傑(中国地震局ネットワークセンター予報部主任、首席予報員):
活動期に入ったと言うのなら、地震活動が通常よりかなり多くなっているはずだ。ここ数カ月の活動の頻度はそこまでには至っておらず、今年に入ってからの3カ月でマグニチュード7以上の地震は5回しか発生しておらず、昨年11月、12月の2カ月には1回しか起きていないことを考えると、5カ月で計6回しか発生しておらず、これは正常な状態である。
2004年のインドネシア大津波地震は、現在ではマグニチュード9.1といわれているが、これ以降世界ではマグニチュード8.5以上の地震がすでに4回起きており、頻度的には以前より多い。しかし通常のマグニチュード7クラスの地震と8クラス前後の地震について言えば、現在の頻度は正常なレベルに入る。今後世界的に地震活動期に入るかどうかは、これからの状況を見てからでないと確定できない。
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