映画『南京!南京!』が全国各地で続々と上映されている。この映画は旧日本軍の南京の軍民に対する野蛮な虐殺をリアルに再現し、歴史の変転を際立たせるため、意識的に白黒の色調を採用した。まさに陸川監督が話すように、何物も真実の力を妨げることはできない。真実のみが映画で人をより感動させ、より深く人の心に刻まれて忘れないようにさせることができる。南京大虐殺は70年余り前の出来事だが、すべての中国人はこの歴史の民族的苦難をしっかりと心に刻み、日本の侵略者と庶民および南京大虐殺を正視する日本の友人を正しく区別し、両者を同列に扱ってはならないと思う。
心に苦難を刻むための形式として、映画『南京!南京!』の積極的な意義は認められるべきだ。心に歴史を刻む方式は、南京大虐殺をして一般日本人を辱め罵り、憎むための契機となすべきではなく、この映画は憎しみとは関係がない。
陸川監督によると、この映画は中国に向けたものであるとともに、世界に向けたものでもある。同様に、日本人に対する中国の観客の態度も世界に伝えるだろう。世界は中国人の苦難をしっかりと記憶することができるだけでなく、この映画及び日本人に対する中国の観客の態度と気持ちを記録することができる。
心に歴史を刻むことは憎しみを引き延ばすことではない。南京大虐殺を暴露した中国人女流作家の張純如さんは「特定の時間と場所での日本人のあらゆる行為に対する非難を日本民族全体に対する非難と見なすなら、それはあの災難の中で命を落とした老若男女を傷つけるだけでなく、普通の日本国民をも傷つけることになる」と語った。このような広い心と度量は、彼女の研究そのものを超えており、映画『南京!南京!』と同様に、内在的な深い力がある。これこそ成熟した民族が持つべき度量ではないか。(文・王錦思)
「 北京週報日本語版」2009年4月24日 |