▽観光業とホテル業が「ケーキ」を山分け
万博効果といっても関連産業への相乗効果はまちまちだろうが、全体的にみて観光・ホテル業、小売業、交通・運輸業が最も恩恵を授かることは明らかだ。なかでもホテル・飲食業が最も潤い、その割合は34.3%に達するとの声もある。
万博閉幕後、万博パークのテーマ館、万博センター、万博軸などの大型建築物は永久保存され、上海の新たな観光名所となり、上海の観光業をけん引すると期待されてる。
観光業の景気はホテル業の需要も生み出し、上海は観光地としての地位を高め、ホテルの宿泊率と住宅価格の引き上げにつながる。関連データによると、万博期間中に必要なホテルのベッド数は約60万にのぼると予想される。上海近郊には蘇州や杭州などの観光地もあるため、多くの観光客は泊まりと観光を兼ねて杭州や嘉興、蘇州などに流れると見られている。万博効果は沿海部から揚子江に沿って上流を始めている。浙江・杭州から江蘇の連雲港、中部の安徽省、江西省から西部の重慶といった長江デルタから沿海や長江中流・下流地域にかけて地域経済が活性化しつつある。
▽産業全体への長期効果
買い物消費の支出が国内観光客の最大の出費(全体の42%)との統計結果が出ているが、万博の観客動員数が7000万人となるとどれだけの購買力が生まれるか計り知れない。 1人当たりの消費が3000元として計算しても、2000億元以上の消費となり、上海だけで計算しても、4兆元投資に匹敵する第2次消費刺激策となる。このため観光・ホテル業だけでなく、小売業まで活性化するのは間違いなく、上海の小売業は万博特需を受けることになる。国泰君安証券の予測によると、万博期間中の上海の小売業の収益は14.8%増加する見通し。
各国で開催されてきた万博の経験からも、万博が地域経済をけん引しているのは明らかだ。前期投資ではインフラ施設の建設や建築業、開催中は小売業やホテル・飲食業、交通・運輸業、そして閉幕後は観光、不動産業などに影響を与えている。(編集KA)
「人民網日本語版」2010年4月2日 |