自由な空を作る
早くも10年前には、海南はすでにその発展を「国際観光島」と位置づけ、そのための作業を開始していた。
陳褘波氏は、海南は島であるため、航空が国内外の観光客が海南に出入りするための主要交通手段だ、と語った。島への旅行客のアクセスをより便利にするために、海南は 2003年から航空権を開放し始めた。現在、海南には中国で最も自由な空が広がっている。
海南には、海口の美蘭国際空港、三亜の鳳凰国際空港の二つの空港がある。航空権の開放により中国領空を飛ぶ旅客機であればいかなる飛行機でもこの二つの空港に着陸・待機し、旅客の乗り降りや貨物の積み下ろしが終了後再び飛び立つことができるようになった。「海南の航空権開放の最大の受益者は観光業で、航空権の開放で交通上の制約が解決され、海外からの旅行客数の上昇を加速した。」陳褘波氏は言う。
2003年まで、海南の国際航空路線はわずか5路線だった。航空権開放後、国際航空路線は 44路線まで増えた。ロシア、韓国、イギリス等20数カ国が三亜、海口空港との往復就航便を開通させ、海南直通の国際就航便のある国内外の航空会社は25社に達した。2003年から2009年の6年間で、外国からの旅行客は毎年 30%前後増えている。
海南の領海はビザ免除政策を実施しており、2000年から米国、カナダ、ロシア、ニュージーランド、イギリス、ドイツ、日本、シンガポール等 21カ国の5人以上の団体旅行客はノービザで海南を15日観光できるようになった。 5人以下の旅行客は「上陸ビザ」を申請でき、海南到着後20分で手続きが完了する。
2012年までに、海南は21カ国へのビザ免除政策をベースに、さらに入国ビザ免除国を5カ国(フィンランド、デンマーク、ノルウェー、ウクライナ、カザフスタン)増やし、ビザ免除国は 26カ国に増える予定だ。このほかロシア、韓国、ドイツの3カ国の団体旅行人数規定を2人以上にまで緩和し、入国後の滞在期間を15日から21日に延長した。
統計によると、2001年に 21カ国のビザ免除ルートで海南を旅行で訪れた外国旅行客は1万2000人余りで、2008年にはこの数字がすでに20万を超え、15.5倍増加した。2001年から 2008年の8年間で、ビザ免除者数は累計で67万人に達し、海南で入国した全外国人の60%を占め、ビザ免除はすでに外国人が海南を旅行やリゾートで訪れる際の主要ルートとなった。海南の顧客源の上位 10カ国もすべてこの21カ国の中に含まれている。海外からの旅行客のショッピングの便宜を図るために、海南は海口、三亜、琼海、万寧の4都市に市内免税店を開いている。
陳褘波氏は、より開放されたビザ免除政策を実施後、おおまかな予測では、2012年にはビザ免除26カ国から海南を訪れる旅行客が現在の 20万から100万に達する見込みだ、と述べた。これは海南観光業の国際化にとって質的な飛躍である。
2012年末までに、海南は北欧、中央アジア諸国など比較的潜在力の大きい顧客源市場を選び、そこからの団体旅行客が海南を訪れる際にビザ免除政策を行えるようにし、現在のビザ免除期間を15日から30日に延長することができるよう努力する。
海南は新たな国際航空路線の開拓を図っている。海南省政府の計画によると、2012年末までには国際航空路線を60路線まで増やし、国内外の航空会社50社を誘致するよう努力し、ほかにも今後5年以内に新空港として博鰲空港を建設する計画だ。
「北京週報日本語版」 2010年1月29日 |