世界金融危機の影響を受け、世界各地の観光地で欧米人客が大幅に減少しているものの、中国人客の世界の観光市場における割合は伸びていることから、各国の観光管理部門や旅行会社などが北京や上海、広州などの大都市で客取り合戦を繰り広げている。
このほど開催された第43回ベルリン国際ツーリズム・マーケット展で、主催者側は「世界の観光動向」が報告された。その報告によると、中国では今年も海外旅行が継続的な伸びをみせ、依然として「大いに歓迎される」旅行客輸出国だという。さらに中国政府が発表したデータを引用して、昨年中国では海外旅行者数が前年比14%増だったと報告した。
エジプト藍天旅行集団北京事務所のモイナハン首席代表は09年広州国際観光フェアで「ここ数年、エジプトを旅行する中国人客が増えている。世界的な金融危機の影響下にあっても、われわれは中国の旅行市場を非常に前向きに見ている」とコメント。モイナハン代表と同じように中国の旅行市場の先行きを明るく見ているのは、米国・ベルギー・チェコスロバキア・メキシコ・チリ・モロッコなどの観光管理部門や旅行会社だ。中国の旅行市場を開拓しようと、国外200以上の観光管理部門や旅行会社が今年の広州国際観光フェアに出展し、ブースの45%を占めた。
在中国韓国大使館はこのほど、今後北京戸籍を持つ中国人が個人旅行ビザを申請する際、在職証明と会社の営業許可証を提出する必要はないと表明。日本観光庁は先に開かれた自民党観光特別委員会で、7月から北京、上海、広州の富裕層を対象に個人観光ビザを発給すると決めた。日本政府は来年7月からビザの発給範囲を中国各地に広げる計画だ。
国家観光局が発表した最新資料によると、中国の観光経済はすでに世界に影響を与える重要な力になっている。中国の海外旅行は急速な伸びをみせ、中国人の足跡は世界各地のいたるところに残り、観光地に観光収入をもたらしている。特に東南アジア一帯でそういった状況が顕著に見られる。中国は昨年、海外旅行者数で日本を大きく上回り、世界でも海外旅行市場の成長ペースが最も速く、潜在力が最も大きく、影響力が最も幅広い国といえる。世界観光機関(UNWTO)の分析報告によると、中国人旅行者は世界トップ5に入る観光消費グループとして、海外でのショッピングの重要ターゲットとなり、巨大な消費価値を生み出しているという。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年4月21日 |