計画の登場時期は業界、社会ともに関心を寄せている問題だ。政策の検討はすでにじっくり行ったし、実際の情勢も今が研究・作成し、登場させ、実施するのに最適な時期であることを示している。
その主な理由は次のようなものだ。まず、レジャーはゆとりある社会を全面的に実現するために然るべき意味を持っているということ。広東、浙江、江蘇、山東などが、経済が発達した省として率先して国民休暇計画の実施を提起したことは、ゆとりある社会を全面的に推し進め、現代化建設を推進するのにプラスとなるほか、国民生活の権利をよりよく保障するのにもプラスとなる。第2に、レジャー消費がすでに大衆化段階に入っていること。毎年数回の連休に旅行する人は全国で延べ数億人にのぼることもある。また、週末になると郊外や田舎に遊びに行く人が非常に多く、レジャー施設はフル稼働している。連続して3年、全国的に1人当たりの旅行回数が1回を超え、レジャー消費の大衆化市場は国民休暇計画を施行するための現実的な基礎を築いている。第3に、中国の休日はすでに中等先進国並みになり、週末の連休と法定休日、ゴールデンウィークなど、1年間の祝祭日、休日は115日に達し、労働者にはこのほか5日から15日ほどの有給休暇もあって国民休暇に十分な時間を提供している。
さらに、市場の需給要因から見ても、レジャーに対する需要もレジャー産業もいずれもがこれまでにないレベルに達している。
まず、レジャーの潜在力を見てみる。休暇と観光業の世界的な法則に照らしてみると、一国の1人当たりGDPが3000-5000ドルに達したとき、レジャー消費、観光消費の爆発的な成長期に入る。目下、中国の1人当たりGDPはすでに3000ドルに達し、第11次五カ年計画期(2006-2010)の末には4000ドル近くになり、レジャー消費の「爆発的成長」のボトムラインに触れる見込みだ。08年の大都市のGDPは広州市が8万元、上海市が1万500ドル、杭州市が1万ドル、北京市が9000ドルであった。ニールセン社の調べによると、ここ数年、中国の53%の消費者が節約してためた資金をレジャー、旅行などに使うつもりだという。この比率はシンガポール、タイ、マレーシア、日本、インドなどの国を上回り、アジア14カ国のトップだ。
1つの業態としてレジャー産業を見てみると、のんびりと過ごせるようなしゃれた既存の場所のほかに、田舎の広大なガーデンやワイナリー、ゴルフ場、豪華クルーズ、ディズニーランドなどの「舶来品」もある。07年の『政府活動報告』は、消費のホットな焦点であるレジャー産業の育成について、初めて国家レベルでの位置づけを行った。そして、国民休暇はその国が繁栄し、生活水準が向上したことの表れでもある。
だが、現実的な運用面では、国家レベルの国民休暇計画はやっと検討・制定段階に入ったばかりで、調査・研究、起草から論証、発表、施行に至るまでには長めのプロセスがある。全国の都市・農村と東部・中部・西部の広大な地域では効果が見られるものの、さらに、長く遠い道のりとなるだろう。
たとえそうであっても、最近のさまざまな要因や条件を総合的に考慮すると、1つの判断と結論を出していいのではないかと思う。それは、いまは「国民休暇計画」を推進するのにふさわしい時期だということだ。
「北京週報日本語版」 2009年3月26日
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