そして、広東省が2月23日に全国に先がけてスタートさせた「国民観光レジャー計画」は、旅行券の活用範囲をさらに広げた。旅行券が広東、浙江、江蘇、山東などの省に集中しているのはなぜなのか?これらの措置は単に内需を促すための各地方による急場の手段なのか、それとも関心が集まる「国民休暇計画」と関係があるのか?
3月5日、『中国経済週刊』誌が高舜礼副司長に取材した際、同氏は、当面の金融危機という背景のもとでの観光優遇策は内需促進に即効性がある、と述べただけでなく、各界が注目する「国民休暇計画」に関する疑問にも答えた。
以下はインタビューの要旨。
旅行券は内需促進のアイデア品
──最近、各地で発行されている無料観光消費券については、多くの市民が歓迎しているが、放出に当たっては市民が取り合うといった問題が起きている。これについてどう考えるか。
先ごろ、杭州、南京などで調査研究を行い、座談会を開いた。いま一部の市や県が発行している旅行券は、当面の世界金融危機に対応して観光消費を促す新しいアイデアだと思う。第1に金融危機に対応する新しい手段だということ。消費促進は投資促進と比べて即効性があり、最終的な消費を拡大するという優位性を持っている。だが、各地で発行されている旅行券は、社会福利や助成、保障などを特徴とした消費券とは明らかに区別され、その主な目的は低所得者層の基本的生活を保障することでなく、消費への投入を増やすことで潜在的な観光旅行消費を刺激、促進して最終的な消費を効果的に拡大させることにある。第2に、市場の自信を確実に奮い起こさせること。数千万元、数億元という旅行券が発行されてから、都市と農村の人々はこれまでにない情熱を示しており、彼らは現地経済の厚みと実力を目の当たりにし、現地政府の民生に対する大きな関心を身にしみて感じることで自信を奮い起こす効果を生んでいる。第3に、消費拡大の効果がすぐに見えること。たとえば、浙江省安吉県は旧正月の3日から旅行券の発行を試みたが、春節期間中だけで前年同期比270%増の観光収入が得られ、1、2月分の受け入れ客数も観光収入も2割増しとなった。また、杭州市観光委員会は、杭州が進めている1億5000万元分の旅行券は3~4割がフィードバックされると予測しており、100万人の観光客を迎えれば10億元単位の観光収入を掘り起こすことになる。
旅行券配布の現場で取り合いなどが生じる可能性については、コミュニティ区による配布や、戸籍簿に基づく番号抽出、ネット上での申請・受領、郵便局への送付、申請・受領地点の増設など、配布の仕方を穏当なものに変えていくことになるだろう。
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