甘粛省白水江国家クラス自然保護区の管理局は四川大地震で大きな被害を受け、ここに生息している102頭のパンダの安否がまだ分からない状況だと明らかにした。
同保護区は震源地の汶川から250キロの場所にあり、今回の地震ではマグニチュード7.8の地震に襲われた。調査隊員によると、地震が発生した時、土砂崩れが起こって多くの落石があり、砂埃が一面に広がり、木々が倒れて野生動物のほえる声が聞こえたという。
同管理局は、土砂崩れによって道が分断されたことに加え、余震も起こっているため、被災地域に入って被害状況を調べることができず、パンダの安否がまだ確認できないとして、地震のパンダへの影響について次のように指摘した。
一、 土砂崩れと倒れた木々はパンダの生息環境を変え、パンダの活動のルートも遮断した。
二、 土砂崩れと落石により、パンダの食料であるヤダケが大きな被害を受け、パンダの食料が減ってしまった。
三、 パンダが住んでいる洞窟や枯れた木が崩れたりして被害を受けているおそれがある。
四、 5月はパンダの繁殖期で、地震によってショックを受けたパンダたちの繁殖行動に影響がある。
五、 保護区にある49本、455キロの道路やパンダを保護するための施設などがかなりの被害を受けた。
同局は現在、科学技術員や獣医を待機させており、条件が揃えばすぐ被災地域に入って、パンダの状況を調べたり救助したりすることにしている。
甘粛白水江国家クラス自然保護区は1978年に成立し、総面積は22万3000ヘクタールで、森林のカバー率は82.7%、2000年にユネスコの「人間と生物圏計画」の生物圏保護区に指定された。ここには、全国のパンダ総数の10%を占める102頭の野生パンダが生息している。
「チャイナネット」2008年6月10日 |