齊続暄氏(73歳)と家族計3人が16日、日本成田空港に向け北京を飛び立った。彼らは、日本政府が中国国民に対して発給する初の「家族観光ビザ」を取得した一家となった。上海国際旅行社(上海国旅)、中国旅行社(中旅)、中国青年旅行者(中青旅)、上海錦江遊旅(錦旅)、上海春秋国際旅行社(春秋国旅)の旅行会社5社によると、3月1日から、2-3人の家族が単独で訪日ビザの取得を行うことが可能となったが、これまでに家族観光ビザで日本を訪れたケースはなかったという。「東方早報」が伝えた。
旅行社は、添乗員の同行が家族ビザ発給に対しても求められることから、家族旅行価格が一般のツアーに比べ約2倍していることも、訪日家族ビザ取得による旅行商品が冷遇されている一因という見方を示している。
中青旅日韓部の周迎風氏は16日、「訪日『家庭観光ビザ』では現在、『直系親族2人プラス添乗員1人』という『2+1』方式が基本的に採用されている。1日平均1本の電話問い合わせがあるかどうか、1週間で問い合わせが入るのはせいぜい2、3家庭という状況で、観光客が飛びつくものでもない」と語った。
また、上海錦旅日韓部の高楓氏によると、訪日団体旅行に参加する市民は多いが、3月1日以降、家族ビザ旅行についての問い合わせは1件もないという。春秋国旅広報担当の張磊氏も、「弊社も訪日家族ビザを取扱っているが、家族旅行専用パッケージを出しておらず、今のところ顧客が希望した場合、カスタムメイドツアーをオファーしている。しかし、現時点で家族ビザを取得して日本を旅行した顧客は皆無だ」とコメントした。 中青旅日韓部の周迎風氏は、このような市場の現状に対し、高すぎるコストがその主要因だと指摘する。同氏は帳簿を広げ、「家族観光ビザ」による6日間の訪日旅行の1人当たりツアー価格は1万5千元~1万8千元が相場なのに対し、一般のツアーはたった7、8千元ですむと説明した。同社の高楓氏もまた、日本では通常、16人以上のグループにホテルや航空券の団体特別料金が適用されるため、家族旅行の場合、間違いなく価格が跳ね上がると指摘する。3人家族のツアーと約40人団体ツアーを比べた場合、家族ツアー航空券の方が高い上、交通費も頭割りで負担するため、家族ツアー価格が大型グループツアー価格より1万元以上アップするのは止むを得ないという。
周氏は、「家族旅行プランと団体旅行プランは、旅行価格の差以外はほぼ同じだ。家族 2人で旅に出て、同じ観光名所を回るのに、添乗員1人分の旅行費用を追加負担するだけだ」と述べた。
周氏はまた、旅行社に問合せをする多数の人々は、最初は「家族旅行」が「個人自由旅行」のようなものだと思っているが、添乗員の同行が必要と聞くとすぐに、家族旅行は自分達の計画から除外すると語った。(編集KM)
「人民網日本語版」2008年3月17日
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