文化の復興で都市の価値を高める
十三朝の古都として、西安は現在、国内で王城の風格を最も示すことのできる都市の1つだ。史書の記載によれば、盛唐時代の長安は総面積が91平方キロに達し、広大で壮麗、古代中国で規模最大の国都だった。転変を経て、今に残る長安城はおよそ12平方キロにすぎない。現在の西安の市街地だ。だが、90年代に大規模な都市開発が始まるに伴って、多くの近代的な建物が立ち並び、鼓楼や城楼など象徴となる伝統建築物は高層ビルの中に埋もれ、同時に多くの平屋の伝統的な民家も改築され、繁華な商業地区があちこちに生まれた古城に人びとは憂いを示し、古都西安の全体的な風貌は破壊されてしまった。城壁がありながら城壁がない、そんな矛盾を感じさせるのも、こうした西安の街の変化によるものだろう。だが、状況がどのように変化しようと、西安は中国、そして世界史において依然として重要な地位にある。西安市文物局の向徳副局長によれば、登録された各種文化財は2944カ所にのぼり、そのうち全国重要文化財は41カ所。07年5月18日にオープンした西安博物館は、建築面積はわずか約1万6000平方メートルだが、収蔵する各時代の文化財は13万点に達しており、国家3級以上の貴重な文化財は1万4400点を数える。ここで記すべきは、当時の歴史的風貌をより迫真的に再現しようと、巨費を投じて大規模な歴史文化テーマパークを数カ所に建設するとともに、歴史をもとに現代の感覚にマッチした大型詩舞劇を制作したことだ。ハイテクを活用して伝統と現代をうまく調和させた創意に富んだ作品は、ますます多くの観光客を引きつけている。西安市観光局のデータによると、07年第1四半期に内外から西安に訪れた観光客は延べ432万人余りと、前年同期比より11%増え、全国平均を大幅に上回った。古城は西安の歴史、文化、気風、民俗が集中的かつ具体的に表れている地域と位置づけられている。人口がもたらす問題を軽減するため、西安市は行政の中心を市街地から移すと同時に、歩行者天国を設置し、車の乗り入れを禁止した・市街地の交通手段は主に公共バスや電気自動車、自転車などだ。西安にある文化そのものを十分に発掘し、展示するため市は「文化特別区」、曲江(中国史で有名な皇室の庭園で、盛唐時代を代表するもの)新区を設置した。文化と観光を主産業とする都市発展型の地区で、07年8月11日に文化部から国の文化産業モデル地区に指定された。
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