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名所旧跡  
伝統と現代の溶け合う什刹海

午後、北海北門でバスを降りる。北京の伝統的な人力三輪車に乗るのもいいだろう。車夫は純粋な北京語で什刹海あたりの胡同を紹介してくれる。だが、値段のかけあいが必要。一人でのんびり歩くのもいいものだ。西に向かって少し行って三座橋胡同に入り、古い目隠し壁を見ながらそぞろ歩くと前海の西街にでる。道の両側は古い胡同だ。さらに西へ行けば、柳蔭街に着く。ここには北京で最もよく保存された恭王府があり、一見の価値がある。この北京でも比類のない庭園は大金持ちの和珅(乾隆15年[1750]~嘉慶4年[1799])の邸宅だったが、咸豊(在位1851~1862)年間に恭親王の奕欣に譲られ、恭王府と名付けられた。それを見学してから、三座橋胡同に戻り、羊房胡同に沿って西海に来る。さらに橋を渡って後海の北側に行く。そこには宋慶齢の故居がある。さらに東へ行けば、望海楼、大蔵竜華寺、広化寺など園林と古建築が見える。これらの所を見学し終わったら、もう日が西の山に沈むころになる。この時間に、もしちょうど銀錠橋に着くと、一番運がよい。橋の上に佇み、西に向かって赤い日が西の山の後ろに落ちる光景を見ていると、幸せな気分が湧いてくるだろう。まるでこの什刹海を漂っているような感じだ。これが北京八景の一つ「銀錠観山(銀錠橋で山を見る)」である。ほどなく夜のとばりが降り、美しい街灯がともり、人出も多くなる。そうだ、什刹海の夜が始まったのだ。

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