先月18日から始まった春節(旧正月)。1週間にわたる公定休日の期間中、南から北にいたるまで、農村はこれまでになく多くの都会人が訪れて賑わった。一方、都市で新年を過ごそうとする農民が増えてきたのも、朗報だ。今、都会人は農村でしか味わえない新鮮さを、農民は都会でしか見られない現代的景観を楽しむ、といった傾向にある。
長江デルタ地帯や北京、天津、河北省などでは、農村で春節を楽しむ市民が増え続けている。その一方、農民の間でも都市を観光するなど、これまでの春節の過ごし方に変化が出てきた。
連休の終盤、上海や南京、杭州などには、地方からの携帯電話が殺到。多くがこの一帯を観光している農民の友人、家族からのものだ。
「都市の変貌を 農村での新鮮さを」のスローガンを掲げる江蘇省観光当局。同局の暫定統計によると、春節期間中、同省の地方都市から省都・南京に観光に訪れた農民は数万人にのぼったという。
業界関係者は「農民が観光に出かける範囲は、長江デルタや珠江デルタ地帯、北京や天津周辺からさらに拡大しつつある。これを機に、都市の観光・飲食業は新たな成長をとげ、新商品やサービスに対する要求も高くなっていくだろう」と話す。
先ごろ、広東省徳慶県の農民300人がチャーター機2機で6日間の日程で観光・視察のため北京を訪れ、注目された。多くの都会人が農村を観光する。同時に、豊かになった農民も都市を観光する。こうした“クロス観光”によって、都市と農村の調和のとれた社会の構築に向けた良好な環境が整い始めたと言えそうだ。
写真はチャーター機で北京に着いた広東省徳慶県の農民
「北京週報日本語版」2007年3月5日
|