蘇州市が公式に認めた蘇州料理の調理師とレストランがこのほど発表された。認定を受けたのは調理師が83人、レストランが51軒。それぞれに「調理大師」と「飲食名店」の称号が与えられた。こうした認定は今回が初めて。
蘇州は昔から「グルメ王国」として知られてきた。グルメに関する映画やテレビドラマなども多くが蘇州で撮影されている。蘇州料理をより有名にしたのが、陸文夫の大作『美食家』だ。市の中心部、百年の歴史を誇る太監弄には軽食で有名な店が100軒以上も集まり、市内では得月楼や松鶴楼、園外楼などが有名レストランとして内外に知られている。
数千年にわたる文化の蓄積と豊かな経済が呉国文化の色彩の濃い蘇州料理を編み出し、輝く美食文化を生み出した。季節の旬に工夫を凝らし、精緻な作りが蘇州料理の特徴。また茶菓子や飴、砂糖の漬物、団子、干し物、お茶なども実に豊富だ。
蘇州料理は中国四大料理の1つである江蘇料理の主流をなし、飲食文化の総合芸術。千年の歴史のある船料理、船菓子は最高の技術を集めたもので、伝統的工芸とも言える。
とろ火で長時間煮込む、これが主要な調理法。さっぱりした口当たりで、甘くてもくどくはない。盛り付けや色の配合にこだわる。料理の名に優雅さが感じられる。新鮮な原材料を選ぶ。食器は小柄で精巧で、軽く手に取ってゆっくりと味わう。
新鮮な材料を選ぶことでは、一般家庭にもいつ何を食べるかといったルールがある。例えば、タニシやタチウオを食するのは清明節の前まで。立夏になると、カモの塩漬けタマゴがよく売れる。冬至にはおもちを食し、冬に醸造した酒を飲む。蘇州人は魚を食する場合、調理法と季節を重視する。1月はコイ、1月はケツギョ、3月はスッポン、4月はヒラ、5月は白身魚、6月はヒラウオ、7月はウナギ、8月はニゴイ、9月はフナ、10月はソウギョ、11月はハクレン、12月はアオウオ、といった具合だ。蘇州の文人の間では昔、重陽節にカニを持ってキクを鑑賞するのが流行ったという。
長江以南の水郷で育った蘇州人は、水生植物のミズブキ、マコモダケ、セリ、ジュンサイ、ハマビシ、クロクワイ、ヒシ、レンコンを「水八仙」と称えている。蘇州の女性が色白で清楚なのは、才能のある男性を輩出してきたのは、水生植物を常食する習慣と関係があるのかも知れない。
「北京週報日本語版」2007年2月21日
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