本誌記者 蘭辛珍
第10期全国政治協商会議第5回会議はこのほど老齢化について記者会見を開いた。この中で、政協委員で同人口資源環境委員会の鄭斯林副主任は「老齢化は社会に多くの問題をもたらす」と指摘し、(1)年金の負担が重くなる(2)医療費が増える(3)老人は介護が必要であるため、介護事業もかなり大きな負担となる――の3点を挙げた。
鄭斯林委員によると、政府が4600万人の老人に昨年給付した年金は総額5000億元、また老人医療費は若年世代の3倍以上にのぼった。
さらに鄭斯林委員は「2005年の統計によると、60歳以上の人口は1億4400万人で総人口の11%を占め、中国が高齢化社会に入ったことを示している。高齢化には4つの特徴が見られる。まず、人口が多いことだ。世界で60歳以上の人口が1億を超える国は中国だけである。次に、高齢化のスピードが速いことだ。2045年には60歳以上が総人口の30%を占めると予想される。第3は、生産効率が低く、1人あたりのGDPは西側諸国より低いため、財政面で高齢化事業を支える能力に限りがあることだ。第4は、歴史的な問題が多いことだ。中国は計画経済から市場経済へと転換したが、計画経済体制の下では年金を積み立てることはなかったため、この問題が現在まで尾を引いている。これは他国にはなかったことだ」と強調した。
「北京週報日本語版」2007年3月14日
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