Imprimer cet article

Commenter cet article

本誌記者の特別報道  
物権をめぐる争い

異なった声

鞏献田北京大学法理学教授は、物権法が熟したかどうかを公然と疑っている代表的人物である。全人代常務委は2005年7月にそのオフィシャルサイトで物権法草案の全文を公表し、社会全体に向って意見を徴した。2005年8月12日に鞏献田氏は公開状『憲法と社会主義の基本原則に背いた「物権法」草案』を発表し、『物権法(草案)』が憲法に背き、社会主義の基本原則から背離し、歴史の車を逆行させていると非難し、『物権法(草案)』に対する審議を中断させ、社会の極めて大きな反響を引き起こした。

鞏献田氏は『物権法』草案の立法の主旨が憲法で規定されている国有財産が神聖で侵犯できない原則に背いたと見ており、彼の公開状の中の広範に引用された「まさか貧乏人の犬を追い払う棒と金持ちのBMW車および別荘が同じように保護を受けるのではあるまい」という言葉である。鞏献田氏は公開状の中でさらに、物権法が国有企業改革の中の国有資産の流失を深刻化させることに対する懸念を表明し、さらに憲法第12条の「社会主義の公共財産は神聖で侵犯できない」という原則にふれ、次のように述べた。物権法の中では、国有財産と集団財産を侵犯した責任に対する追及は時間の制限を受けないことを規定すべきである。さもなければ、公共財産を横領した犯罪分子に一定の時期以後、不法占有してる公共財産を合法的な私有財産に変え、負うべき法律的責任も自然と免かれることになる。

鞏献田氏は、物権法には必ず『憲法』と「民法通則」の中の「社会主義の公共財産は神聖で侵犯できない」という条項を添えなければならないと強調するとともに、国家、集団と個人の財産を平等に保護するという物権法の立法主旨に対しても質疑を出した。

鞏献田氏の公開状は1石が千重の波を巻き起こすように、社会各界の社会主義なのか、資本主義なのかという大討論を引き起こした。以前の討論は早くも1992年に鄧小平氏が中国南部視察の中で発表した談話によって誘発されたものであった。彼は一時期「勇士」、「民族のバックボーン」、「民族的英雄」という名誉および「法律の盲者」、「歴史の罪人」、「国民全体の共通の敵」などの汚名も着せられた。多くの人は鞏献田氏を支持し、彼は人民のためにここ数年らいの貧富の格差が大きくなり、腐敗の問題が深刻であるなどの社会問題について旗を振ってアピールしていると見ている。

公開状は二大学者・民衆陣営の論戦を誘発し、物権法の起草を起伏に富むものにした。

物権法の審議が座礁した後、呉邦国全人代常務委委員長は同常務委のある定例会議における発言の中で、物権法の起草は中国の国情から出発することを堅持し、中国の実情に立脚し、わが国の改革開放と現代化建設の実践の経験を総括し、わが国の経済社会発展の実際に合致する物権法律制度を確立しなければならないと強調し、「私達は国外の物権法律制度の中の私たちに役立つものを参考にしなければならないが、絶対にそれを当て嵌めることはできない」と語った。この発言の主旨は鞏献田氏の公開状の中のいくつかの見解とほぼ一致したものである。

2006年に審議された5回目の物権法草案稿に国有財産保護についての数カ条の条項を特に加えた。例えば、新たに増やした条項の1つは、「国有資産管理・監督の職責を履行する機関は、法律に基いて国有資産に対する管理、監督を強化し、国有資産の損失を防ぐべきである。職権を乱用し、職責を軽んじ、国有資産の損失をもたらすものは、法律的責任を負うべきである」という規定であった。

しかし、法律の中で比較的残念なところは、人々がきわめて関心を持つ70年間の土地使用権が期限満了後いかにしてその継続使用期を申請するかということ及び農村の宅地使用権の取得、行使と移譲という2つの問題において敏感でありすぎるため、ブレークスルーが見られなかったということである。

胡星斗教授は、物権法の採択が国有資産私有化のスピードアップを招くことになるという人々の懸念は不必要なことで、法律の公布は国有資産保護の堅持にとってプラスとなることであり、「もし財産権関係が法律の上でいっそう明らかにされるなら、国有資産は侵害されにくくなる」「長い目で見れば、このような個人私有財産保護の法律は市場経済と法制社会の基本的ルールの確立に役立つであろう」と見ている。

「北京週報日本語版」2007年3月9日

   前のページへ   1   2   3   4  

北京週報e刊一覧
トップ記事一覧
インフレは依然、経済最大の潜在的懸念
「タイガーマザー」論争、どんな母親が優れているのか?
中国、水利整備を加速
潘魯生氏 手工芸による民族文化の伝承
特 集 一覧へ
第7回アジア欧州首脳会議
成立50周年を迎える寧夏回族自治区
現代中国事情
中国の地方概況
· 北京市  天津市 上海市 重慶市
· 河北省  山西省 遼寧省 吉林省
· 黒竜江省 江蘇省 浙江省 安徽省
· 福建省  江西省 山東省 河南省
· 湖北省  湖南省 広東省 海南省
· 四川省  貴州省 雲南省 陝西省
· 甘粛省  青海省 台湾省
· 内蒙古自治区
· チベット自治区
· 広西チワン族自治区
· 新疆ウイグル自治区
· 寧夏回族自治区
· 澳門特別行政区
· 香港特別自治区