「貧困者、貧困になるのは、決して彼らの考え方が遅れているためだからではない。ある程度、政策上の差別によるものだ」。中国社会学研究会の陸学芸会長はこう警告する。一部専門家も「制度による貧困」だと指摘。その最も顕著な例が、この数年の間に進められ様々な論議を呼んだ医療・教育体制改革が、市場化と産業化をその重点に位置づけ、本来備えているべき公平性と公益性を無視していることだ。教育費と医療費が高すぎる故に都市・農村部住民が貧困に陥った主因はまさにそこにある。
いかに解決するか
丁主任は「都市部の貧困問題の解決は、農村部を豊かにする以上に難しい。都市部の貧困層は土地などの生産手段を持たず、増収や負担が軽減される可能性もなく、しかも都市の生活コストは農民より高いからだ」と強調する。
大多数の人は、就業の増加・拡大が都市部の貧困と低収入問題を解決する主要な措置だと考えており、就業増の主要な手段はサービス業を大々的に発展させることだろう。だが、丁主任は調査を通じて、サービス業は経済発達地区では通用するが、貧困地区では必ずしも通用しないことが分かったという。零細な商売では物は売れない、家政婦をやるにしても必要とする人はいない、介護ヘルパーをしようとしても金がなくて雇う人はいないのだ。
こうした状況の中、多くの専門家は都市部の貧困支援に当たっては、技能訓練を強化するよう主張している。例えば、上海市は今年2月から、30万人にのぼる就業困難な貧困者を対象に、政府が2000元を振り込んだ「職業訓練銀行口座カード」を発行。市民はこのカードを持参すれば、各種の技能訓練に参加できるようになった。
ソフト面からの貧困支援より、ハード面からさらに手段を講じることが大切だと趙代表は強調する。都市部の貧困支援事業に関する専門の法規を制定し、都市部住民の最低生活保障の範囲や基準、手続き、保障金などを適正化・明確化するよう呼び掛けている。
一部専門家は、都市部の貧困問題を根本的に解決するには、社会の透明度を高めることが必要だと指摘する。
都市・農村部住民の収入の格差は絶えず拡大し、しかも都市部住民の間でも格差が徐々に広がりつつあるのが、現在の国情だ。国家発展改革委員会の経済体制総合改革司は先ごろ、都市部住民の収入格差に関する報告書をまとめた。それによると、格差はジニ指数の上限に達して、0.4前後にあり、各種職場外の収入や非正常な収入を加えれば、実質ジニ指数はさらに拡大するとしている。具体的に言えば、収入が最低の20%の都市部住民については、所有する全収入は都市全体の3%足らずだ。
『瞭望』は「理論的には、全社会の富の増加は貧困問題の解決にプラスとなる。ただ、公正な富の分配制度が確立されず、社会全体の透明度が高まらなければ、相対的貧困人口は今後も増加していく可能性がある」と分析している.
「北京週報日本語版」
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