昨年12月5日、中央政府は北京と天津、上海の3大直轄市の規律検査委の書記を直接任命した。今回の人事異動は主に06年以来、3市で相次いで起きた大型汚職事件と関係がある、というのが世論の見方だ。また、広東や浙江、安徽など10省の規律検査委の書記に他省の官僚が着任したことも関心を呼んだ。いずれも中央政府が任命したものだ。
「中央が地方の規律検査委書記を直接任命し、派遣するやり方については、今のところ評価のしようがなく、効果のほどは様子を見るしかない」と王貴秀教授は話す。王教授は、汚職防止で最も根本となるのはほかでもなく制度自体にあり、中央指導部の指示に頼るだけではだめだと見る。「単に書記を派遣することだけで腐敗状況を改めようとしても、非常に難しいと思う」と話す。
国際協力を強化
87年9月から今年10月までに、中国は約30カ国と犯罪人引渡条約、49カ国と司法協力条約を締結。最高人民検察院は75カ国の司法・検察機関と83にのぼる二国間協力協定または協力覚書に調印した。
昨年の2月12日には、「国連腐敗防止条約」が中国で正式に発効した。
2月28日から3月3日まで、中国監察部が中心となって中米法律執行協力合同連絡グループ(JLC)の汚職防止専門家グループ第2回会合が開かれた。双方は中米間で汚職取締協力に関する定期協議と情報交換、連絡制度を確立し、専門家グループ会合を制度化することで一致した。
4月下旬、中米両国は上海でAPEC汚職防止シンポジウムを共催。
4月29日、全国人民代表大会常務委員会はスペインとの犯罪人引渡条約を承認した。中国が欧米先進国と同条約を締結したのはこれが初めてだ。
10月25日、国際反汚職局連合会が河北省香河に正式に発足した。
国連開発計画(UNDP)中国代表事務所の馬和励代表は「深みのある国際協力を展開することは、中国政府が汚職との闘いとクリーンな政治の確立を強化する決意と自信のほどを示している」と強調する。
「北京週報日本語版」
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